• 2025-11-01

BYDの7~9月期、純利益は3割減 販売鈍化に研究開発費増が利益圧迫

中国の電気自動車(EV)最大手、比亜迪(BYD)は30日、2025年7~9月期の連結決算(中国会計基準)を発表した。売上高は前年同期比3.1%減の1,949億8,460万人民元(4兆5,373億円)で、純利益は同32.6%減の78億2,264億人民元(1,626億円)と減収減益となった。好調を続けてきた販売が鈍化、拡充する研究開発費などが重荷に利益を圧縮した格好だ。年初来の1~9月期では、売上高が前年同期比12.7%増の5,662億6,500万元(約11兆7,726億円)と過去最高を更新した。

1~9月期の営業利益は前年同期比8.9%減の289億600万元(6,009億円)。営業利益率は5.1%と低下。R&D費用は前年比31.3%増の437億4,800万元(9,095億円)と急拡大しており、自動運転や次世代電池技術への投資を継続している格好だ。営業収益の内訳を見ると、自動車・電池事業を中心に本業の「営業収入」が全体の大部分を占める。とくに国内市場ではプラグインハイブリッド「秦(チン)」「宋(ソン)」シリーズが販売を牽引し、海外ではタイ、ブラジル、ハンガリーなどの新工場立ち上げが寄与した。一方で、研究開発(R&D)や販売促進費の増加が利益を圧迫し、純利益は7.7%減の242億3,160万元(5,037億円)となった。

営業キャッシュフローは408億元(8,482億円)と堅調を維持した一方、固定資産投資などによる支出が増え、投資キャッシュフローはマイナス1,275億元(2兆6,507億円)と前年より拡大。期末残高は1,174億元(2兆4,407億円)と潤沢な資金を確保している。

王伝福(ワン・チュアンフー)会長は声明で、「EV市場の競争は激化しているが、BYDはグローバル化と技術革新の両輪で成長を続ける」と述べた。BYDは年内にも欧州での電動SUV「Seal U」量産を開始する見通しで、EV・PHEVの世界販売シェア拡大に向け攻勢を強めている。(2025年10月31日)