マグナとパワー半導体メーカーのオンセミは27日、に統合するための長期供給契約(LTSA)を締結したと発表した。マグナはオンセミのマサチューセッツ工場とチェコ工場に約4000万ドル(56億円)を投資する。
マグナはEV用の動力マネージメントシステム「eDRIVE」に、オンセミの炭化ケイ素を用いたデバイス「EliteSiC MOSFET」技術を統合することで、冷却性能の向上と加速・充電速度の高速化を図りEVの航続距離の延長をめざしている。また、オンセミと組みことで炭化ケイ素の生産立ち上げ能力を高め、供給力を向上させEV向けSiCベース製品需要増に対応する考えだ。
今回の長期供給契約に合わせて、両社は増産体制づくりに向けて、マグナがオンセミのニューハンプシャー工場とチェコ工場に約4,000万ドルを投資する契約も結んだという。
マグナ・パワートレインのディバ・イルンガ社長は、「私たちは炭化ケイ素チップの安定供給が、革新的で効率的なeDriveシステムを顧客に提供し続けるために不可欠であると考えている」と述べ、SiC生産能力拡大への投資を通じて電動化競争力強化につなげたい考えだ。
炭化ケイ素はワイドバンドギャップの半導体基板で、EVのような高温・高出力のアプリケーションに最適だが、生産は非常に難しい。メーカー数は限られており、SiCベースの設計に対する需要も大きいため、OEMや自動車部品サプライヤーは、長期的で信頼性の高い供給を確保しようとする姿勢を強めている。