• 2024-10-06

シンビオ、欧州最大の燃料電池サイトを開所

ステランティスなどが出資する水素燃料電池メーカーのシンビオは5日、フランス・アルプ地方に欧州最大となる燃料電池のギガファクトリーを開所した。2026年までに年産5万基の燃料電池システムを生産する計画だ。これにより、ステランティスは燃料電池車事業を拡大し、欧州での中型バンに加え北米市場向けでも燃料電池車を投入する方針だ。

アルプ地方にあるSymphonHyの本社工場。2026年までに敷地も1.5倍に拡張する計画だ。

アルプ地方のサン=フォンに水素燃料電池を生産する「SymphonHy(シンフォンハイ)」を新設した。昨年、シンビオにステランティスが参画し進めていた燃料電池の工業化を図ったもので、敷地面積を現在の26,000㎡を2026年までに40,000㎡に拡張するなど、さらに欧州最大の燃料電池生産拠点としたい考えだ。これにより、燃料電池の生産能力を現在の1万6千基から5万基へと3倍に増強する。テランティスは、ALVW(乗用車と小型トラック)で320マイル(約515㎞)、GCWR(自動車連結車両重量)で200マイル(約322㎞)の航続距離を実現する車両の電動化にメドをつけたとし、フルサイズのピックアップトラック「ラム」シリーズでも燃料電池車開発に取り組む計画を明らかにした。

シンビオのフィリップ・ロジールCEOは「シンフォンハイは、ゼロエミッションである水素モビリティの展開を加速するシンビオの産業コミットメントを果たすもの」と話し、フォルビアのパトリック・コラーCEOは「フォルビアは、水素技術がバッテリー電化を補完する唯一の信頼できる選択肢であると確信している」と話した。

ステランティスは今年5月に、フォルシアとミシュランが出資していたシンビオに参画、両社と対等の合弁事業として水素エネルギーの利活用とともにEV向けの燃料電池開発を後押し、本格化に取り組んでいる。