ポルシェは12日、2023年の新車販売台数が前年比3.3%増の32万221台となった、と発表した。3年連続で30万台を超え、2023年が誕生60周年を迎えた「911」が根強い人気で高い伸び率を示すなど、底堅い需要をみせた格好だ。同社は2024年の重点地域としてASEAN(アセアン)での販売を強化する方針で、昨年実績を上回る販売水準を見込んでいる。
車種別では、「ポルシェ911」が前年比24%増と全モデルライン中最大の伸びを記録した。販売台数は5万146台で、うち「タイカン」は同17%増の4万629台だった。最量販モデルはSUVの「カイエン」で同8%減の8万7,553台にとどまった。販売減の理由は、モデルチェンジ時期をずらしたこととハイブリッドモデルのソフトウェアのアップデート時期がずれたこととしている。コンパクトSUVの「マカン」は前年並みの8万7,355台だった。4ドアセダンの「パナメーラ」は、ライフサイクルの最終年度ながらも3万4,020台を販売した。「718ボクスター/718ケイマン」は同13%増の2万518台だった。
地域別では、欧州(ドイツを除く)で前年比12.0%増の7万229台だった。地元・ドイツは同9.9%増の3万2,430台を販売した。最大市場の北米では同8.6%増の8万6,059台で、中国は同15.0%減の7万9,283台に落ち込んだ。中国での景気後退が大きく響いた格好だ。その他は同15.7%増の5万2,220台だった。
同社販売・マーケティング担当執行役員であるデトレフ・フォン・プラテン氏は、「世界経済が不安定な時代にあっても、私たちのブランドは依然として魅力的で高級なもの。昨年はとくに、ポルシェが最大の販売地域において非常にバランスの取れたポジションにあった」と述べた。また、2024年の見通しとして「中国の市場環境は引き続き厳しい」と予想しながらも、「販売構造のバランスをとり続け、海外地域、とくにASEAN市場を強化する」と話した。(2024年1月14日)