
フォルクスワーゲン(VW)は10月23日、ドイツの金属産業労組IGメタルと、人件費削減などを巡る労使交渉を11月24日に開始することで合意したと発表した。初回はエムデン拠点で実施し、12月15日にツヴィッカウで交渉を続ける。経済環境の悪化を受け、人件費の早期削減を通じて競争力の回復を目指す。
追加1万2000人削減へ、希望退職と再就職支援を協議
両者は2024年12月の「Zukunft Volkswagen(フォルクスワーゲンの未来)」協定で、2030年までにドイツ国内のVW拠点で3万5000人超の雇用を、従業員に配慮した方法で削減することに合意していた。今回の発表によると、グループの2030年目標には、VW単体でさらに1万2000人分のポストを削減する計画が盛り込まれている。
VWが追加策として挙げるのは、希望退職制度の最大限の活用や、公的助成の対象となる再就職支援会社の設立、人件費の削減だ。再就職支援会社では、移籍した従業員が追加の職業訓練などを受け、新たな就業機会を探せるようにする。具体的な制度や条件は、今後の交渉で協議する。
雇用保障を維持し、人件費と人員配置を見直し
一方、VWは厳しい経営環境の下でも、雇用保障条項を含む既存の将来協定を維持する方針を示した。追加の人員対策についても、従業員に選択肢や支援を提供する形で進める考えだ。
今回の交渉は、労使双方が9月に協定の再協議条項を発動したことを受けたもの。VWは同月末、所定の予告期間に従って10件の労働協約の解約も通知しており、競争力向上に必要なコスト削減について交渉する枠組みを整えた。
VWブランドの人事責任者であるアルネ・マイスヴィンケル氏は、2024年の協定締結時から経済状況が大幅に悪化したと説明。長期的な雇用の安定には企業の経済的な成功が必要だとして、競争力のある人件費や、より柔軟な人員配置について協議する必要性を強調した。
2030年に向けコスト削減、欧州の生産体制も再構築
これらの取り組みは、グループの変革計画「Future Plan 2030」の一環となる。同計画では、商品構成のスリム化や組織再編に加え、「Operational Excellence」を通じて2030年までにバリューチェーン全体で約200億ユーロのコスト削減を目指す。さらに、間接費を約110億ユーロ削減する計画も掲げている。
欧州の生産体制については、2026年9月3日の監査役会での決定に沿い、持続可能性と競争力を備えた体制の構想を2027年半ばまでに策定する。
(2026年10月24日)
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