ルノーは5日、ミュンヘンのIAAモビリティ会場で「新型グランドカングー」を発表した。ICEとBEVの2つのパワートレーンを持つ新世代MPVとなる。今年末に受注を始め、納車は来年初めからを予定している。
新型車は2021年に発売された第3世代カングーの派生で、商用ユースと乗用ユースの両方に対応する。このため、新たに7人乗りを設定し同クラスでは充実の室内空間を実現し、なかでも3列目の乗員の膝前はクラス最高となる164mmを確保した。2列目のイージーライフスライディングドロワーと床下収納トレイを含む58リッター以上の収納スペースを備え、トランクは7人乗り仕様で500リッター、リアシートを取り外し助手席を倒せば3,750リッターまで拡張可能という。また、独立リアシートで最大1024通りのシートアレンジが可能という。
ルノー・グランドカングーのラインナップには、ICEとBEVバージョン「E‐テック」があり、BEVの航続距離は265kmという。この「E-テック」には45kWhのリチウムイオンバッテリーを新搭載した。80kWのDC充電ポイントで10分間停止すれば、80kmの航続距離を回復できる。バッテリーの保証期間は8年または16万km。この期間中、容量が健全状態(SoH)の70%を下回った場合は無料で交換する。
新型グランドカングーE-テック・エレクトリックは3つの回生ブレーキ・モードを用意。従来の油圧式ブレーキシステムに、エネルギー回生を最大化するARBS(適応型回生ブレーキシステム)を組み合わせたほか、トラクション・モードとブレーキ・モードのさまざまな組み合わせにより、最大6つの異なるドライビング・スタイルを追加し、ドライビング・スタイルや交通状況に応じて快適性と航続距離を最適化する。
スマートフォンアプリ「マイ・ルノー」またはルノー・イージー・リンク・マルチメディア・システムを介して、新型グランドカングーE-テック・エレクトリックには定期的なバッテリー充電と遠隔でのバッテリー状態のモニタリング、さらに室内の予熱または予冷のスケジュール設定、ルート上の充電ステーション検索、バッテリー残量で到達可能な目的地の検索支援などのコネクテッドサービスを付帯する。