メルセデス・ベンツは4日、IAAモビリティ2023で次世代のメルセデス・ベンツ・モジュラー・アーキテクチャー(MMA)を採用するコンセプトモデルを発表した。近く生産を開始する「新型CLAクラス」で採用し展示した。2039年にバリューチェーンで新車のゼロ・カーボンをめざす「アンビション2039」を実現する最初のモデルとなる。
次世代MMA電気駆動システム は、VISION EQXXの革新的な電気駆動システムから直接派生した新しい自社開発のドライブトレインで、800Vの電気アーキテクチャーと高いエネルギー密度を持つバッテリー、高効率の電気駆動ユニットで構成している。航続距離750 km以上で、エネルギー消費量は12kWh/100kmとなる。まさに電気自動車時代のリッターカーとなる。
VISION EQXXから電気駆動システムに加え、 自然界の原理を応用したデジタルエンジニアリング手法を用い、材料の使用を最適化し資源を節約する。リアアクスルコンソール、バッテリーコンソール、サスペンション部品など、MMAプラットフォームの多くの部品がこの手法を用いて最適化されている。また、サステイナブル・マテリアルとしてフロアマットは竹繊維で織られ、ドアポケットはバイオテクノロジーによるビーガン生地で縁取られている。シートは持続可能な方法で生産・加工されたレザーを採用している。さらに、 氷点下でもドライブトレインと外気から熱を取り出し室内を暖める。
メルセデス・ベンツは、EV生産におけるカーボンフットプリントとして、 MMAの全車両で従来に比べ40%以上削減する。このため、バッテリーはセル生産だけでなく、カソード生産もネット・カーボン・ニュートラルとし、スチールやアルミニウムもリサイクル素材や再生可能エネルギーの利用などに取り組み、1台あたり約400kgのCO₂削減をめざしている。