現代自動車と起亜自動車は11月29日、EV向けイン・ホイール・ドライブの新駆動システム「ユニバーサル・ホイール・ドライブ・システム(Uni Wheel)」を発表した。EVの減速ギアをホイールハブ内に移動、コンパクトな個々のモーターを各ホイールの近くに配置しドライブシャフトの長さを短くすることでシャシーのフラットフロア構成が可能になるという。これにより、従来の駆動システムに比べ車内スペースを大きく確保できるため、PBV(Purpose Built Vehicle)などモビリティデザインの変革に対応できるとしている。
両社は韓国ソウルで「Uni Wheel Tech Day」を開き、「Uni Wheel」を発表した。Uni Wheelは、中央のサンギア、両側の4つのピニオンギア、これを取り囲むリングギアからなる特殊な遊星ギア構成を採用。モーターで発電した電力はサンギアに伝達し、サンギアがピニオンギアと噛み合ってリングギアを回転させ、これをホイールに連結し車両を駆動する。Uni Wheelのピニオンギアは互いに連結し2つのリンクを形成、このマルチリンク機構によってUni Wheelの多軸運動が可能となり、サスペンションのアーティキュレーションを広範囲に広げることができるという。なかでも、走行状況に応じて車高を調整できる電子制御エアサスペンションと組み合わせることで、悪路では車高を上げて安定させ、高速走行では車高を下げてパワーと安定性を向上させるなどフレキシブルな走行機能を実現できるとした。
ヒュンダイ・モーター・グループ先端技術開発研究所のパク・ジョンスル上級研究員は「未来のモビリティ市場におけるゲーム・チェンジャーとなり得る革新的なアイデア」とし、「技術を完成させていく」と述べた。