• 2024-12-23

日産、米国で「アリア」を値下げ。BEV価格競争が加速

北米日産は5日、電気自動車(BEV)モデルの「アリア」の販売価格を最廉価版で3,600ドル(約54万円)、率にして8.3%引き下げ39,590ドル(約593万円)に改定した、と発表した。値下げが相次ぐBEVの価格競争に日産も加わった。

日産は2024年型「アリヤ」のメーカー希望小売価格を39,590ドルからに改定した。エントリーモデルとなる「エンゲージFWD」が43,190ドルから3,600ドルの引き下げとなる。新たな価格では、最大6,000ドル(約90万円)の値下げとなる。

アリヤは、2種類のバッテリーサイズと前輪駆動または四輪駆動「e-4ORCE」、さらに5つの装備グレードをラインナップしている。最大304マイル(489㎞)の航続距離や高速道路でのハンズオフ運転を可能とするプロパイロット・アシスト2.0も採用している。モデルには、63kWhのスタンダードレンジバッテリー(アリヤ・エンゲージ専用)または87kWhのロングレンジバッテリーが装備され、出力は214~389馬力。

北米日産のEV戦略・変革担当シニア・ディレクターであるトリシャ・ユング氏は、「電気自動車市場が発展・成長を続ける中、2024年モデルのアリヤの価格改定はモデルの競争力を向上させお客様に最大限の価値を提供することを保証するものだ」と説明している。

BEV市場は継続する政府の補助金もあり、緩やかながら成長している。しかし、各社から新商品が相次ぐなど競争は一段と激化しており、BEVトップメーカーのテスラが昨年前半には需要変動に合わせる形で値下げを含む積極的な価格見直し策を展開するなど、BEV価格を巡る動きが活発化している。一部現地報道では、日産は2月に大幅なレンタカー販売を実施、主要市場である米国で在庫削減など決算対策を急いでいる。今回、アリアの値下げで日産はBEV市場への果敢なアクセス姿勢を示すことになる。(2024年3月6日)