北米トヨタは4月30日、米国エネルギー省アルゴンヌ国立研究所と研究開発協力協定(CRADA)を締結した、と発表した。新型電気自動車に搭載されているリチウムイオン電池の直接リサイクルプロセスの開発を調査する狙いで、北米で相次ぐバッテリー材料回収プロジェクトにトヨタも本格的に取り組むことになる。
TRINAも参画へ
トヨタはアルゴンヌ国立研究所に使用済みバッテリーと新品のバッテリーの両方を提供し、アルゴンヌ研究所は特許出願中でもあるダイレクト・リサイクル・プロセスをバッテリーに適用し、テストを行う。トヨタ・リサーチ・インスティチュート・オブ・ノース・アメリカ(TRINA)の材料研究部シニア・サイエンティストであるニック・シン氏は、「アルゴンヌに当社の市販電池製品を利用してもらうことで、他の電池リサイクル技術に加えてダイレクト・リサイクル・プロセスを工業規模で評価することができる。多様な電池プラットフォームと化学的性質に対応する多様なリサイクル・オプションのポートフォリオを維持することで、トヨタは米国でのバッテリー製造がより優れた循環性とサプライチェーンの安全性を達成できるよう支援したい」と話した。
トヨタは2015年に「環境チャレンジ2050」を発表し、2050年までに自動車のライフサイクル全体でカーボンニュートラルの達成をめざしている。電動化車両でのバッテリーリサイクルもその一般の取り組みとなる。すでに、自動車各社はバッテリーリサイクルへの取り組みを加速しており、トヨタの北米でのギガファクトリー展開と合わせての活動となりそうだ。(2024年5月4日)