• 2024-12-23

サイバー攻撃や排ガス規制などへの対応で、NADA会長が緊急メッセージ

全米自動車ディーラー協会のゲーリー・ギルクリスト会長が10日、全米ディーラーを巻き込むサイバー事件に対して緊急メッセージを発表した。原文和訳で紹介する。

自動車ディーラーには、革新の豊かな歴史があります。技術は変化し、私たちは消費者にサービスを提供するためにその変化を受け入れています。経済は栄枯盛衰を繰り返し、私たちはビジネスを強固なものにするために進化してきました。そして今、私たちはあらゆるところからの挑戦に直面していますが、私たちは立ち向かい、顧客が望み必要とする車の販売とサービスを続けることができるよう、続けていくでしょう。

まず、CDKのディーラーのシステムを停止させたサイバー事件についてお話しします。この事件が全国の自動車小売業者に与えた影響については、改めて申すまでもありません。これは自動車小売業界(ディーラー、ATAE、そして我々と協働するベンダーを含む)に対し、データ保護への警戒を怠らず、積極的に行動することを強く喚起するものです。NADA には、最近更新された NADA セーフガード・ドライブン・ガイドを含む、データ保護のためのコンプライアンス強化に資する数多くのリソースがあります。

ディーラーがこのような課題に対処する一方で、CDKと連携してNADAが連邦取引委員会(FTC)への提案を受け入れました。CDKがこの新しい連邦政府の通知要件が発動されたと判断した場合、CDKがディーラーのクライアントに代わってFTCに統合違反通知を提出できるようになったことは、一つの明るい進展といえるでしょう。もちろん、ディーラーは依然として各州の違反通知要件と戦わなければなりませんが、最近のNADA全会員向けEメールで説明したように、ディーラーは現在、この件に関してFTCに違反通知を提出する義務を有してはいません。

次に、昨年12月に最終決定されたFTCの「ビークル・ショッピング・ルール (VSR)」に対し私たちNADAが強い反対の意思を示したことは皆さんご存じのことと思います。NADA は多方面からこの不当な VSR に積極的に異議を申し立ててきました。今回、その進展がありましたのでご報告します。最終的なVSRは車両購入プロセスを完了するのに少なくとも1時間追加する必要があり、10年間で241億ドルの正味コストを消費者とディーラーにもたらすことが判明した、ということです。

この情報をもとに、私たちNADAは2025年度の下院金融サービス・一般政府予算案に、2025年9月30日までFTC による VSR の実施・執行を停止する条項を盛り込むことができました。この法案は下院歳出委員会を通過し、7月末に下院本会議で審議される予定です。

一方、NADAとテキサス自動車販売店協会は、米国第5巡回区控訴裁判所において、この規則に対する異議申し立てを続けています。ここでの我々の主張は、FTCが規則を発布した際に自らの規則に従わなかったこと、FTCが作成した記録は規則の新たな義務付けを裏付けていないこと、FTCは消費者とディーラーに対する規則のコストと利益を十分に考慮しなかったことです。この訴訟は3人の裁判官によるパネルに割り当てられ、早ければ9月にも口頭弁論が始まる可能性があります。

この規則が発表されて以来、VSRが商用トラックのディーラーに適用されるかどうかは不明でした。FTCは商用トラックの小売業者に関する費用便益分析をまったく行っていないにもかかわらず、6ヵ月後には議会からの問い合わせがあったにもかかわらず、この規則は商用トラックの小売業者にも適用されると発表しました。これは、FTCがいかに自らの規則の全範囲と影響を理解していないかの一例に過ぎません。NADAではFTCに、この件に関する追加的な説明を求めているところです。

環境保護庁(EPA)が3月に発表した温室効果ガスに関する最終規則と、米国運輸省道路交通安全局(NHSTA)が6月に発表した企業別平均燃費(CAFE)基準の最終規則についてです。これらの規則は、2027年から2032年までに販売されるゼロエミッションの新車について、です。つまり、「販売」であって、開発されたわけでも宣伝されたわけでも、製造されたわけでもない、わけです。

販売される車には顧客が必要であり、私たちは日々消費者と接する中で、この規制に取り組んでいます。NADAの立場は、これらの規則が市場や消費者の需要をはるかに先取りしているというものです。

ディーラーは何十億ドルもの投資とEV在庫の購入によって電動化への動きをサポートしてきましたが、その規制要件は達成可能なものでなければなりません。いまだ充電インフラは整っておらず、現在のインセンティブは十分ではなく、高いEV価格は何百万人もの消費者(特に低所得のアメリカ人)を新車市場から締め出すでしょう。

NADAと何千ものディーラー会員の努力により、温室効果ガス規則案は短期的に改善されましたが、行政に対して予測や推定ではなく、実際のEV販売を追跡し実際の消費者の需要を反映するために必要な要件の調整を行うよう強く求めています。そのため、議会審査法の一環としてEPA 最終規則を不承認とし、これを阻止するための共同決議を 支持してきました。我々は、NHTSAのCAFE規則を不承認とする同様の措置を支持する予定です。

私は春にタイソンズに滞在し、NADA スタッフが活動しているところを見ることができま したが、NADA の理事や会員の支援を得て、これらの優先事項の一つ一つ、そしてそれ 以上に多くの問題に熱心に取り組んでいます。私の仕事は、私たちの立場とメッセージが一致することで、より多くのことを成し遂げることができるということを皆さんに思い出していただくことです。

つまり、私たちは皆さんの声を必要とし、そのメッセージを広め、共有するために皆さんの助けが必要なのです。ATAEの懸命な活動を支援してください。議員や理事と連絡を取り合いましょう。そして、NADAメンバーシップに含まれる多くの貴重なリソースを活用してください。

私たちは以前にも困難に直面したことがあります。NADA は皆様が将来にわたって成長し、成功できるようお手伝いします。ありがとうございました」(2024年7月10日)