• 2024-07-08

テスラとBYD、上半期EV販売はその差10万台

電気自動車(EV)メーカー大手のテスラとBYDが発表した今年上半期(1~6月)の販売実績によると、テスラは前年同期比6.5%減の83万766台にとどまり、BYDは同17.7%増の72万6,153台となり、その差は前年同期の27万台余りから10万台へと大きく縮まった。テスラは2四半期連続の実績割れとなり、昨年10~12月の第4四半期には販売台数で逆転した両社のEVトップを巡る競争が一段と注目を集めそうだ。

テスラは2日、今年第2四半期(4~6月)の販売台数を発表。主力の「モデル3/Y」の販売が伸び悩み前年同期を2万台余り下回ったことで前年同期比4.8%減の44万3,956台となった。これにより、1~6月累計の上半期実績は前年同期よりも6万8千台少ない83万台水準にとどまった。この発表を受けて、テスラ株価はNY市場終了間近に大きく下落したものの、現地報道ではIT関連株やアナリスト予想の販売減予想を上回ったことで、前日よりも10%高値の231.26ドルで取り引きを終えた。

一方、中国BYDは1日、6月の販売実績を発表。バッテリーEV(BEV)の販売台数が6月は前年同月比13.2%増の14万5,179台だったとした。これにより、同社の第4四半期(4~6月)のBEV販売台数は前年同期比21.0%増の42万6,039台となり、今年1~6月の上半期実績は72万6,153台と前年実績よりも10万9千台余り伸ばした。BYDの上半期の総販売台数は161万2,983台で前年同期比28.5%増。うち乗用車は同28.8%増の160万7,145台で、EVのなかでBEVと区分されるPHEV(プラグインハイブリッド)は同39.5%増の88万992台だった。

両社は世界のEV販売で2強と呼ばれるフロントランナー。昨年第4四半期には、BYDが初めてテスラを上回る販売をマークした。テスラは今年に入って、2四半期連続で前年実績を下回る伸び悩みをみせている。工場火災による生産減や主力モデルの全面改良で商品供給の停滞しがちを理由としている。テスラはじょじょに納車を改善、今後は販売台数を増やしていくとの観測が広がっている。伸び率こそ鈍化しているもののBYDの好調な販売は続いており、年後半の両社のEV首位をめぐる動きは関心を呼びそうだ。(2024年7月3日)