• 2025-01-25

NADA、ホンダ/ソニーなどのメーカー直販に異議申し立て

全米自動車ディーラー協会(NADA)は16日、会員ディーラーなどに向けて一部メーカーのディーラーを介さない直接販売方式に対する書簡を送った。NADAのゲイリー・ギルクリスト会長(写真)は直接の自動車販売方式が「顧客にとって有益というのは見当違いだ」と指摘し、法的な権利保護に向けた取り組みを引き続き行うと明言した。

以下、書簡原文訳=NADA の全スタッフを代表して、皆様と同じく私も、フォルクスワーゲン/スカウトとホンダ/ソニーが新車を消費者に対して直接小売販売する意向であるという最近のニュースに深く落胆しています。
NADA は、フォルクスワーゲンとホンダに対して、新車を直接販売することが自社や顧客にとって有益であるという、とんでもなく見当違いな決定を行わないよう説得するために、2年もの間、熱心に取り組んできました。 NADAは、何度も手紙や電子メールを送ったり、話し合いの場を設けたり、日本まで出向いたりするなど、さまざまな働きかけを試みました。そして、これらのOEMに対して、この問題の核心となる事実を繰り返し提示しました。すなわち、フランチャイズシステムは、顧客と自動車メーカーの両方に最も適しているという事実です。

この現実を裏付けるものとして、最近、コンサルティング会社オリバー・ワイマンが実施した新車流通のコストと価値に関する独自調査があります。この調査では、直販チャネルよりもフランチャイズディーラーを活用する方がコスト効率が高く、自動車メーカーと消費者双方に多大な付加価値をもたらすという結論が導き出されました。また、自動車メーカーがディーラーのパートナーと競合しようとしたり、排除しようとしたりするような決定は、いかなるものであれ容認できないこと、明白に違法であること、そして全米の州議会や裁判所で争われることになることを明確にしました。そして、今後もその姿勢を貫きます。NADAの全面的な支援を受けながらです。
正規ディーラーは、販売およびサービスプロセスにおいて、顧客がどこで対応してほしいと考えているかを誰よりもよく理解しています。それは、ショールームであるかもしれないし、100%オンラインであるかもしれないし、あるいはその中間であるかもしれません。そして、ほとんどの顧客が望むのはまさにその中間なのです。ディーラーは、フランチャイズモデルを進化させ改善することに全力を尽くし、新しいテクノロジーやツールを取り入れて、顧客体験のさらなる向上に努めています。顧客満足度指数に基づくと、顧客体験はすでに世界でも最高レベルに達しています。

賢明なメーカー(その大半は従来のOEMメーカー)は、ディーラーネットワークが自社の成功に果たすかけがえのない役割を認識しています。さらに、EV専業の新興企業が成長を続けるにつれ、EVを大規模に販売・サービスするには、フランチャイズディーラーモデルを導入する以外に選択肢がないことに必ず気づきます。そして、すべての企業が、名称以外はあらゆる面でディーラーシップを持つという方向に向かって業務を展開しています。NADAは、フランチャイズシステムを保護し、法律を施行し、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェ、ホンダ、アキュラのディーラーを支援するために、最善の法的および立法的進路を決定するために、ATAEおよび州および都市部のディーラー協会と協力してきました。そして、今後もその努力を継続していきます。

同時に、NADAはこれらのブランドのリーダーたちに、ディーラー・フランチャイズ・システムの実績ある成功を自らの利益に活用する方法について話し合うために、私たちと会うよう引き続き強く求めていきます。また、各州ごとの不必要な長期にわたる法的争いを回避することも求めていきます。
しかし、どのような方向に向かうにせよ、フランチャイズ・システムの保護と維持が常にNADAの最優先事項であることは、何があろうとも変わりません。(以上)

ATAEは、オートモーティブ・トレード・アソシエーション・エグゼクティブズ(自動車貿易協会幹部)の略で、米国tおカナダにあるメーカー系列の新車ディーラー協会の幹部で組織。当初は、米国でのモーターショー運営管理を主な業務としていたが、現在ではNADAと連携してディーラー業務支援のほか国などに対するロビー活動の機能も持つ。会長はジェニファー・コールマン氏。(2025年1月20日)