
ポルシェは7日、執行委員会の再編を柱とする組織改革を行う、と発表した。現在8部門で構成する経営体制を7部門に簡素化し、Car-IT部門を7月1日付けで研究開発(R&D)部門へ統合する。ソフトウエアと車両開発の一体化を進め、SDV(ソフトウエア定義車両)時代への対応を加速する狙いだ。
執行体制を8部門から7部門へ再編
7月1日付でCar-IT部門を研究開発部門へ統合する組織変更を実施する。統合後は、研究開発担当で執行委員会副議長のミヒャエル・シュタイナー氏がCar-IT分野を含めて統括する。
監査役会長のヴォルフガング・ポルシェ氏は「ポルシェは変革の難しい局面にある。変化した環境に合わせ、執行委員会レベルを含め組織を一貫して適応させる必要がある」とコメントした。
ソフト開発を車両開発へ統合
ポルシェは近年、Car-IT部門を率いるサッジャド・カーン氏のもとで、車載コネクティビティーやインフォテインメント機能を強化してきた。新型「カイエン・エレクトリック」では、新たなデジタルインタラクション設計思想を導入し、ソフトウエアとハードウエアを統合したパーソナライズ型の車載体験を打ち出している。今回の再編では、これまで独立していたCar-IT機能を研究開発部門へ組み込み、ソフトとハードを一体で開発する体制へ移行する。カーン氏は「変化する市場環境では、構造やプロセスを継続的に見直し適応することが不可欠だ」と述べた。
中国市場向けモデルにも展開
ポルシェは中国・上海の研究開発拠点で、中国市場専用モデルの開発も進めている。今回のソフト戦略再編で構築する新たなデジタル体験は、中国専用モデルを含む今後の車種群にも展開する方針だ。
欧州高級車メーカーでは、中国勢や米テスラとの競争激化を背景に、車載ソフト開発体制の見直しが相次いでいる。ポルシェも組織統合によって意思決定を迅速化し、ソフト開発効率の向上を図る。(2026年5月9日)