• 2026-06-13

ルノー、新型SUV「ボレアル」のトルコ生産開始

ルノーグループは12日、世界戦略SUV「ボレアル(Boreal)」の生産拠点をブラジルに続きトルコにも新設する、と発表した。合わせて、新開発のフルハイブリッドシステム「E-Tech 160hp」を世界で初めて搭載し、欧州以外での電動化戦略を加速したい考えだ。

ボレアルは2025年に発表されたCセグメントSUVで、これまでブラジル・クリチバ工場を拠点に中南米市場へ供給してきた。今回、新たにトルコ・ブルサ工場での生産を開始することで、ルノーにとって世界第2位の市場であるトルコに加え、東欧、中東、北アフリカ、サブサハラアフリカへの輸出拠点として活用する。

今回の最大の注目点は、新型フルハイブリッド「E-Tech 160hp」の初採用だ。トルコ生産車に搭載されるこのシステムは、市街地走行の最大80%を電動走行でカバーし、時速110kmまでEV走行が可能という。WLTPモード燃費は4.8L/100km、CO₂排出量は108g/kmに抑えた。

一方、1.3リッターターボエンジンと6速デュアルクラッチトランスミッション(EDC)を組み合わせた145hp仕様も設定。市場ニーズに応じて複数のパワートレーンを展開する。さらに2026年第4四半期には4輪駆動ハイブリッド仕様「E-Tech 4×4 150hp」の追加も予定している。

ボレアルは全長4.56m、ホイールベース2.70mのC-SUVで、ルノーの最新デザイン言語を採用。車内には10インチのデジタルメーターと10インチの「openR link」ディスプレーを装備し、地図やGoogleアシスタント、グーグルプレイを標準搭載する。OTA(無線アップデート)にも対応し、ソフトウエア定義車両(SDV)時代を見据えた設計となっている。また、レベル2運転支援システム「アクティブ・ドライビング・アシスト」をはじめ、最大25種類のADAS(先進運転支援システム)を採用した。

ルノーは近年、「インターナショナル・ゲームプラン2027」のもと、欧州依存からの脱却を進めている。ボレアルはその象徴的モデルであり、ブラジルとトルコの2大生産拠点を活用しながら、新興市場向けSUV戦略の中核を担う。とくに注目されるのは、欧州で培った電動化技術を新興国市場へ本格展開する点だ。中国メーカーの攻勢が強まる中、ルノーはフルハイブリッド技術とコネクテッドサービスを武器に、中東・アフリカ・中南米市場での収益拡大を狙う。(2026年6月13日)