• 2026-09-18

米中古車価格、8月は7%上昇 22年末以来の高値、低価格車の不足深刻

米国の中古車販売店に並ぶ中古車と空いた展示スペース
米国の中古車販売店(イメージ)

米国の中古車市場で価格上昇が続いている。自動車市場調査会社コックス・オートモーティブによると、2026年8月の中古車の平均店頭価格は2万7,239ドル(1ドル=157円換算で約428万円)となり、前年同月を7.0%上回った。月間平均としては2022年12月以来の高値。とりわけ1万5,000ドル未満の低価格車が大幅に減少しており、手頃な車を求める消費者ほど厳しい状況に直面している。

コックス・オートモーティブが、中古車在庫・価格分析サービス「vAuto(ブイオート)」のデータを基にまとめた。8月の平均店頭価格は、改定後の7月実績である2万6,999ドルから0.9%上昇した。

通常、中古車価格は7月から8月にかけて横ばい、または小幅に下落する傾向がある。今回は季節的な動きに反して値上がりした格好だ。

中古車の平均店頭価格が2万7,000ドルを上回るのは、26年に入って2回目。6月は改定値で2万7,010ドルとなり、7月はわずかに同水準を下回っていた。

中古車価格が22年末以来の高水準に達した背景には、新車と比べた相対的な割安感による需要の底堅さがある。借入金利は上昇したものの、コックス傘下のディーラートラックがまとめる「クレジット・アベイラビリティー指数」では、8月に自動車ローンを利用しやすい環境が改善した。

フランチャイズ系と独立系の販売店が8月末時点で保有していた中古車在庫は213万台だった。前年同月を1.3%上回った一方、前月からは1.1%減少した。

在庫量は前年をわずかに上回るものの、23年および24年の同月水準を下回る。中古車市場が供給不足に直面していた22年8月の約242万台と比べても、約29万台少ない。

8月の中古車小売販売台数は推計150万台。前年同月比では3.2%減少したが、前月比では3.9%増えた。7月から8月にかけて販売が伸びる通常の季節パターンに沿った動きとなった。

在庫が減る一方で販売ペースが上がったため、在庫日数は7月の改定値46日から44日に短縮した。前年同月と比べると2日長い。

ブランド別では、フォード、シボレー、トヨタ、ホンダ、日産が中古車販売の上位を占めた。5ブランドを合わせた販売台数は市場全体の約半分に達し、7月から構成比に大きな変化はなかった。

価格上昇の影響を最も強く受けているのが、予算を抑えて中古車を購入しようとする消費者だ。

1万5,000ドル(約236万円)未満の中古車の在庫日数は29日にとどまり、市場平均の44日を15日下回った。同価格帯の在庫台数は前年同月比25.9%減少し、中古車在庫全体に占める割合も前年の20.6%から15.1%へ低下した。

低価格帯の中古車不足は、コロナ禍以降の新車生産減少の影響が中古車市場に波及していることに加え、車両価格や修理費の上昇によって、安価で再販できる車両が減っている可能性を示す。平均価格の上昇だけでなく、消費者が選べる価格帯そのものが狭まっている点が、米中古車市場の大きな課題となっている。

メーカーや正規販売店が品質を保証する認定中古車(CPO)の8月販売台数は、推計22万7,432台だった。7月の22万2,400台から2.3%増加した。

ただ、中古車小売販売全体に占めるCPOの割合は15.2%となり、7月の改定値15.4%から小幅に低下した。

米国では新車価格が依然として高い水準にあり、中古車への需要は根強い。一方、低価格車の供給減少が続けば、比較的所得の低い層や初めて車を購入する消費者の負担が一段と重くなる。中古車価格の高止まりは、販売店の商品調達や在庫戦略にも影響を及ぼしそうだ。

※ドルの円換算は1ドル=157円で算出。
※平均価格は成約価格ではなく、販売店が掲示する店頭価格。
(CBTニュースおよびコックス・オートモーティブの資料を基に作成)