• 2024-05-18

ルノーとボルボ、BEVバン生産で合弁 物流企業も参加し都市内配送で新サービスも

ルノーとボルボは6日、小型商用車(LCV)事業で合弁会社を設立し2026年にもBEVバンの生産を始める、と発表した。グローバル物流企業のCMA CGMもファンドを通じて1億2,000万ユーロ(約190億円)を投じ参加し、都市内物流などでの脱炭素化に取り組む。欧州では、気候変動対策で物流分野での脱炭素化は喫緊の課題と見られており、ルノーとボルボはBEVによる効率的な物流システムづくりをリードしたい考えだ。

新たな合弁会社は2024年初めにも設立する。フランスに本社を置き、ルノー・グループとボルボ・グループは研究開発への投資を分担する。ルノーのLCVスケートボード・プラットフォームを活用しモジュール化した車両生産を行い、新しい「ソフトウェア・ディファインド・ビークル・アーキテクチャー」と呼ぶ、配送活動や荷主の業務性をモニターできる機能を通じて利用コストを30%削減する計画だ。また、バンとしては前例のない800V機能を備えたさまざまなバッテリー容量を提供する方針だ。両社では、荷主の脱炭素化への取り組みは急務で、「2030年までに欧州でのBEVバン市場は3倍に拡大する」と見込み、電子商取引やレンタル事業に対応した新しいLCVの利活用を期待している。

ボルボ・グループのマーティン・ルンドシュテットCEOは「新会社の設立を通じ、持続可能な輸送ソリューションに向けた新たな一歩を踏み出すことができる。クリーンで効率的かつ安全な都市交通に対する需要が高まっており、これを実現するためにはパートナーシップと協力していく」と話し、ルノー・グループのルカ・デ・メオCEOは「電動化とデジタル化は、LCV市場に革命の道を開く。ルノー・グループは、強固で効果的な価値創造を確保しながら、この変革をリードしていく」と述べた。また、CMA CGMグループのロドルフ・サーデCEOは「電気モビリティへのPULSEファンドによる新たな投資を通じて、私たちは私たちの活動とこの分野の脱炭素化を加速させるというコミットメントを追求していく」と語った。