• 2024-05-18

コンチネンタル、中期目標達成に向けた戦略を発表

コンチネンタルは4日、中期経営戦略を発表し3~5年後の売上高を100億ユーロ(約1兆5,890億円)以上増やし510億~560億ユーロ(8兆1,049億~8兆8,995億円)をめざす。自動車部門で「高い成長を遂げる価値創造型事業分野」と位置づけるディスプレイやHIM(ヒューマンマシンインターフェース)コントロール事業に注力するほか、タイヤ事業ではアジア太平洋地域と北米・南米地域で力強い成長が可能とみて強化する方針だ。

同社はハノーバーで「キャピタル・マーケット・デイ」を開催、新たな中期戦略を発表した。売上高を約510億~560億ユーロに目標として掲げ、調整後EBITマージンを今後2~3年で約8~11%とした。配当性向も従来純利益の15~30%だったのを約20~40%に引き上げる。このため、コスト削減を徹底するほか、一部事業を切り離す。

部門別では、自動車部門のうち価値創造型事業分野注力する。ユーザーエクスペリエンス事業領域を組織的独立を図る。これにより、ディスプレイとHMIコントロール事業を分社化するなど、部門内事業化を促し連結売上高で約14億ユーロ(約2,225億円)寄与すると見込んでいる。タイヤ部門では、中期的に約170億~180億ユーロ(2兆7,016億~2兆8,600億円)の売上高と約13~16%の調整後EBITマージンをめざす。コンチテックグループ部門では売上高比率を現在の約55%から80%に引き上げることを目標に、グループ部門の産業用ビジネスを強化する。、コンチテックの自動車関連事業(表面材を除く)のうち、相手先商標製品ソリューション(OESL)事業を2025年にも完全に分離・独立させる予定だ。

ニコライ・セッツァーCEOは「私たちの戦略は、価値創造を拡大すること。私たちの3つのグループ部門は、バランスの取れた弾力性のあるポートフォリオを構成しており、柔軟かつ積極的に、そして先見性を持って経営していく」と述べた。また、カーチャ・ガルシア・ヴィラCFOは「中期目標の達成は最優先課題で、厳格に実行していく」と話し、引き上げた配当方針を強調した。

同社は、自動車部門で2025年から年間4億ユーロ(約635億円)の大幅なコスト削減をめざしている。研究開発費の割合も引き下げる予定で、短期的に売上高の約11%(2023年見込み約12%)まで削減する。中期的には、この割合を10%未満とする意向で、世界82カ所にある開発拠点を統合する考えだ。