• 2024-05-18

【CES2024】ステランティス、世界初のバーチャルコックピットを公開

ステランティスは9日、世界初の仮想コックピットプラットフォームを構築した、と発表した。米ラスベガスで開催中のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)2024で公開した。今年後半にも一般販売する予定だ。

バーチャル・コックピットは、ステランティスが開発を進める「ステランティス・バーチャル・エンジニアリング・ワークベンチ(VEW)」の主軸で、自動車の制御装置やシステムのリアルな仮想バージョンを作成し、実際の自動車と同じように動作させることができるのが特長だ。BlackBerryのクラウド「QNX」を用い、AWSマーケットプレイスを通じて投入している。

ステランティスはAWSマーケットプレイスを通じて QNX Hypervisor にアクセスすることで、仮想コックピットのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)シミュレーションをクラウド環境に組み込むことができる。ステランティスは2022年に、車両プラットフォーム用の優先クラウドプロバイダーとしてAWSを選択している。QNX ハイパーバイザをクラウドに展開することで、ステランティスは顧客フィードバック セッションを高速化し、車両のコックピット体験を再現しドライバーの体験を最適化するために即応できるという。

ステランティスのチーフ・ソフトウェア・オフィサーであるイヴ・ボンヌフォン氏は、「我々のバーチャル・コックピットによって、我々だけでなくサプライヤーやパートナーのアプローチにも革命を起こすことになる」と話した。また、BlackBerry IoT のマティアス・エリクソン社長は、「QNX が長年サポートしてきた、ベンダやプラットフォームに依存しない 規格を活用することで、組み込みソフトウエアの仮想開発環境を忠実に実現できる、信頼性の高い QNX Hypervisor プラットフォームをクラウドで早期に利用できるようになる」と話し、AWSクラウド上で世界初の商用ハイパーバイザーを立ち上げることで車載ソフトウェア開発負担を軽減しコスト削減につながると述べた。