• 2026-07-25

VW、上期営業益12%減も下期改善へ自信 中国苦戦もEV受注は5割増

フォルクスワーゲングループ(VW)は24日、2026年上期(1〜6月)決算を発表した。営業利益は前年同期比11.6%減の59億3,100万ユーロ(約1兆1,032億円、1ユーロ=186円換算)となった。中国市場の販売低迷や米国での電気自動車(EV)「ID.4」の生産終了に伴う費用が利益を圧迫したものの、コスト削減の進展や欧州でのEV需要拡大を背景に、下期は利益率の改善を見込んでいる。

上期の売上高は0.2%減の1,581億200万ユーロ(約29兆4,850億円)と前年並みを維持した。一方、営業利益率は4.2%から3.8%へ低下した。ID.4の北米生産終了に関連する約5億ユーロ(約930億円)の費用や販売構成の悪化が響いたが、リストラ費用の減少や固定費削減、為替効果が一定程度これを相殺した。特殊要因を除いた営業利益は69億ユーロ、営業利益率は4.3%だった。自動車部門の純キャッシュフローは31億6,600万ユーロ(約5,888億円)と前年同期の13億5,000万ユーロの流出から大幅に改善した。税負担の減少に加え、設備投資や研究開発投資の抑制、運転資本の改善が寄与した。

期中の新車販売台数は8.4%減の399万7,000台となった。中国市場が31.6%減と大きく落ち込んだことが全体を押し下げた一方、南米は5.2%増、西欧は1.3%増、中東欧は9.6%増と堅調に推移し、北米もプラス成長を確保した。EV事業は明るい材料も目立ち、欧州ではEV受注が前年末比50%超増え、受注残に占めるEV比率は30%を突破した。新たな小型EVシリーズ「エレクトリック・アーバンカー・ファミリー」は発売から数週間で7万台超を受注し、市場の期待を上回る滑り出しとなっているという。

ブランド別では、量販車を担う「ブランドグループ・コア」が営業利益36億1,100万ユーロ(約6,716億円)と前年同期比4.5%増を確保し、グループ全体の収益を下支えした。一方、「プログレッシブ」ブランド群は11億2,200万ユーロ、「スポーツ・ラグジュアリー」(ポルシェ)は12億800万ユーロと利益を確保したものの、トラック事業を担うTRATONは24%の減益となった。ソフトウエア子会社CARIADは赤字幅を縮小している。

通期見通しでは、売上高成長率の予想を従来の「0〜3%増」から「3%減〜横ばい」へ引き下げた。一方、営業利益率は4.0〜5.5%と従来予想を据え置き、下期には収益性が改善するとの見方を維持した。自動車部門の純キャッシュフローは30億〜60億ユーロ(約5,580億〜1兆1,160億円)、ネット流動性は320億〜340億ユーロ(約5兆9,520億〜6兆3,240億円)を見込む。

オリバー・ブルーメ最高経営責任者(CEO)は「過去3年間に進めてきたグループ改革は成果を上げ始めている。厳しい環境下でも前年を上回る力強い業績をめざす」と述べた。アルノ・アントリッツ最高財務責任者(CFO)は「営業利益率3.8%では十分ではない。コスト構造や商品構成、意思決定プロセスを抜本的に見直し、競争力をさらに高める必要がある」と強調した。(2026年7月24日)