吉利控股集団は12日、マレーシアの複合企業である「DRB-HICOM」と取り組む「オートモーティブ・ハイテク・バレー」プロジェクトの合弁会社を設立した、と発表した。同時に、吉利控股の子会社であるGYMDデジタル・テクノロジー社がマレーシアのIT企業であるALTELグループとデジタルトランスフォーメーション(DX)などで協力することで基本合意した。吉利は2017年にマレーシアの国民車メーカー「プロトン・ホールディングス」を事実上傘下におさめ、同社を核にマレーシアでの事業強化を図っている。今回、新たにALTELグループと提携することで次世代の自動車事業を視野に拡大していくことになる。
吉利はDRBハイコムとの間で、プロトンの工場があるペラ州タンジュン・マリムに新エネルギー車生産のほか自動車部品工場が集積する自動車工業団地としていく「AHTVプロジェクト」を推進する計画だ。今年7月には同プロジェクトに100億ドル(約1兆4,000億円)を投じることが明らかになっていた。吉利はこのための合弁会社を設立し、その事業化を推し進める計画だ。同社では、高度な研究開発施設のほか最先端の製造装置やロジスティクス、トレーニングなどの支援サービスを行える施設を設けるという。
一方、吉利子会社のGYMDとALTEはDXやスマートロジスティクス、エネルギー分野で連携していくことで合意し、自動車とその周辺分野でITを活用したサービス連携を推し進める方針だ。12日の調印式にはマレーシアのアンワル・イブラヒム首相と吉利控股のエリック・リー会長が立ち会い、吉利控股のダニエル・リーCEOとDRB-HICOMグループのタン・スリエド・ファイサル・アルバル社長が参加し、GYMDとALTELの間で締結された合意書にはGYMDの王小虎CEOとALTELのダト・スリ・アムリン・アワルディン取締役がそれぞれ署名した。