現代自動車と起亜自動車は22日、高速走行時に発生する空気抵抗を最小限に抑えることで電気自動車(BEV)の航続距離と走行安定性を向上させる「アクティブ・エア・スカート(AAS)」を発表した。バンパー下部に流入する空気の流れを車速に応じて可変制御することで、車輪周辺で発生する乱流を効果的に抑制する。これにより、ダウンフォースが増え空力抵抗を2.8%低減し、航続距離を約6㎞向上させるという。韓国と米国で同技術の関連特許を出願しており、耐久試験や性能試験を経て量産化を検討するとしている。
現代自と起亜自の「AAS」は、EV用プラットフォーム「E-GMP」においてフロントバンパーと前輪の間に設置し、通常時は隠れているが時速80km以上で空気抵抗が転がり抵抗より大きくなると作動する。特定の速度域で頻繁に作動するのを防ぐため時速70kmで再び格納する。また、AASは時速200km以上でも作動する。
両社は「ジェネシスGV60」にこのAASを搭載実験し、空気抵抗係数(Cd)を0.008低減するとともに空気抵抗を2.8%改善したことを明らかにした。現代自グループの趙善亨副社長兼モビリティ車体開発グループ長は、「この技術は、空力性能の向上が難しいSUVなどの車種でより大きな効果が期待できる」と述べ、車体の空気抵抗低減を追求するBEVの商品力強化につなげたい考えだ。(2024年1月23日)