• 2024-05-18

トヨタ、南カリフォルニアの電力会社とV2G研究

北米トヨタは14日、南カルフォルニアの電力会社「サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー(SDG&E)」とトヨタのBEV「bZ4X」を使ったビークル・ツー・グリッド(V2G)研究協力で合意した、と発表した。トヨタはBEVやPHEVの最大市場となる同地区での取り組みを通じて、BEVユーザーのニーズと電力需給を探りBEV販売強化に生かす考えだ。

SDG&Eは南カリフォルニアを拠点に370万人に電力サービスを提供する公益企業。合意したV2G研究では、BEVの所有者がサンディエゴ郡とオレンジ郡南部の電力網から車両のバッテリーを充電し、バッテリーから電力網に電力を放電する双方向パワーフロー技術を探る。これにより、エネルギーの信頼性と回復力の向上、再生可能エネルギーの統合、電気料金削減の可能性など電動車利用の顧客ニーズを探る。

トヨタによると、BEV所有者の80%近くが夜間に自宅でBEV充電を行っているという。このため、電力需要のピーク時や停電時などの時にBEVから送電網に電力を送り返すことができる、双方向機能のメリットについてBEVユーザーとどのようにコミュニケーションを取るかを模索することを目的としている。

トヨタEV充電ソリューションズ担当のクリストファー・ヤン副社長は「お客様のために電動化されたエコシステム全体を構想しており、ユーティリティ企業がエネルギー需要の増加源として、また将来的にはエネルギー供給源として送電網にプラグインハイブリッド車やBEVが大量に導入されることをめざしている」と話した。また、SDG&Eのミゲル・ロメロCCOは「V2Gは、送電網と消費者を大きく変える可能性を秘めており、トヨタと提携してお客様と地域社会のために持続可能で強靭なエネルギーの未来に向けた新たな道を切り開いていきたい」と述べた。