• 2024-05-18

BASFとナノテック・エナジーらがリチウムイオン電池のCO2削減に

BASFの活性物質

BASFは11日、カリフォルニアのナノテック・エナジー社と提携し、リチウムイオン電池にリサイクル金属を使用し電池のCO2影響を約25%削減する。両者は電池リサイクル会社のアメリカン・バッテリー・テクノロジー・カンパニー(ABTC)とカナダで水酸化金属を生産するTODAアドバンスド・マテリアルズ社(TODA)とも提携し、自動車と家電業界向けにリチウム電池のバリューチェーンを構築する。  

リサイクル金属を使用し電池バリューチェーン構築へ

 BASFはミシガン州バトルクリークでリサイクル金属から正極活物質を生産し、ナノテック・エナジー社が生産するリチウムイオン電池セルに使用することで合意、提携した。これにより、鉱山からの一次金属の使用と比べて電池のCO2影響を約25%削減することができるという。また、両社はネバダ州でリチウムイオン電池のリサイクルを行うABTCと、カナダ・オンタリオ州で正極活物質の前駆体であるpCAMと水酸化金属材料を生産するTODAと提携し、北米での自動車と家電業界向けに地域密着型の電池バリューチェーンを展開する。カリフォルニアのナノテック社などから排出される廃バッテリーをABTCが回収し、ニッケルやコバルトなどバッテリーグレードの金属をTODAとBASFが新しい前駆体や正極活物質製造に再利用する。ナノテック社はこれを電池セル生産に活用する。

これにより、BASFは2024年から北米で初めて、商業ベースでリサイクル金属から正極活物質を供給することになる。ナノテック社もリサイクル金属で生産された電池セルを北米市場で提供するサプライチェーンを構築することになる。

ナノテック・エナジーの最高マーケティング・営業責任者であるカーティス・カラー氏は、「私たち4社が協力することで、それぞれの専門知識を結集し、北米の電気自動車および家電業界全体にとって、より良い、より持続可能な成果を推進することができる。リチウムイオン電池市場の継続的な進歩と成長における大きな節目となり、電池のバリューチェーンに沿ったCO2排出量の削減において、このような重要な役割を担っていることを誇りに思う」と述べた。