• 2024-05-18

ユーロ7規制の一部緩和案に、欧州業界から相次ぐ声明

欧州連合(EU)が、「ユーロ7」と呼ぶ新たな自動車環境規制の実施時期をさらに半年延期することを決めたのを受けて、欧州自動車工業会(ACEA)と欧州自動車部品工業会(CLEPA)が相次いで声明を発表した。両者とも、本格化する電動化への取り組みと同時に求められる管理強化案への懸念への理解が得られたことに一定の評価を示した。

EUは2035年に販売する新車のすべてをゼロ・エミッションとする方針と合わせて、ユーロ7ではタイヤの摩耗率制限を規定するほかエンジン燃焼時に発生する亜酸化窒素などを新たな規制対象として議論を進めている。しかし、こうした新たな規制が、もともと電動化のための事業転換に大きな負担を迫られている実情に、地元産業界の声を受けて規制の緩和が必要との意見が出ていた。22日、スペインなど8カ国が規制実施の到着店を24カ月から30カ月にさらに半年間延期する、いわゆる先送り案で関係閣僚が合意したという。

こうした動きを受け、ACEAは25日に声明を発表し、シグリッド デ フリース事務局長が「欧州委員会のユーロ7提案に比べ改善され、実効性のあるユーロ6/VIテストを継続するという理事会の目的は賢明」と評価。一方で、ユーロ7がとくに大型車にとって「現在実施されているものと比べてはるかに広範囲で多大なエンジニアリングと試験努力が必要となる。脱炭素化に全リソースを注いでいるこの時期に、私たちの業界から莫大な追加投資が必要となる」と規制案の見直しを求めた。

また、CLEPAのベンジャミン・クリーガー事務局長は「自動車部品メーカーは、現実的な試験条件と規制値を備えたユーロ7の導入を支持している」としながらも、技術力の点で米国や中国に主導権を奪われないようなルールのあり方を求めた。