• 2024-05-18

VWグループ、新たな中国事業戦略を発表。2030年までにシェア15%、400万台計画

フォルクスワーゲングループは4月24日に開催したメディアナイトで、44のショープレミアの中から7つの主要モデルを発表した。CODEとID. UNYX、新型Audi Q6L e-tron、新型Porsche Taycan 4、Bentley Batur、Lamborghini Urus SE、Ducati Diavel for Bentley。

フォルクスワーゲン(VW)グループは24日、中国・北京で中国キャピタルマーケッツデーを開き、新たな中国事業戦略を発表した。2030年までに中国での販売目標を市場シェアでは約15%に相当する約400万台に設定、販売台数の半分を電動車とすることをめざす。同社は「中国で中国のために(In China, for China)」と名づけた中国事業戦略を一段と加速させ、掲げている営業利益約30億ユーロ(約5,000億円)への道筋を示した格好だ。

25日に開幕した「北京オートショー(オートチャイナ2024)」に合わせて、VWグループのオリバー・ブルーメCEOは「中国には5,000万台のVWグループ車が走っており、世界の3台に1台は中国で販売されている」とし、すでに打ち出した中国市場強化の「中国で中国のために」戦略をさらに深化させる意向を示した。そのなかで、中国市場でグローバルメーカーナンバーワンの地位を確保するため2030年をメドに年間400万台を販売する目標を掲げたことを明らかにした。

このため、同社は2026 年までにエントリーレベルのコンパクトカーで現地の競合他社と同等のコストを達成することをめざし、将来には市場全体の50%以上を占める販売をめざす。なかでも、VWブランドを通じて中国メインプラットフォーム(CMP)によるBEVポートフォリオをコンパクトセグメントにも拡大。XPENG(小鵬汽車)と共同で開発するE/Eアーキテクチャーなどにより、2026年までに40%のコスト削減をめざすとした。また、自律走行分野でもレベル3以上の自律走行を2030年までに普及率56%にしたい考えだ。

VWグループでは、2027年までに営業利益を20億ユーロ以上に引き上げるとともに、10年後までに30億ユーロを達成することを目標としている。VWグループ・チャイナの中国地域担当グループ経営委員会メンバーであるラルフ・ブランドシュテッターCEOは、「すべてのプロジェクトとイニシアチブにおいて、収益性を最優先している。ブランド横断的な効率化プログラムと一貫したコスト管理により、私たちは中国における経済競争力を持続的にさらに強化し、この地域は今後もグループの収益とキャッシュフローに力強く貢献していく」と述べた。

一方、パワートレーンでのICE、PHEV、BEVを強化すると同時に、将来的にはICV(インテリジェント・コネクテッド・ビークル)も提供していく。グループでは今後3年間で、中国で40の新モデルを発売する予定であり、その半数を電動化モデルとする計画だ。その中には、XPENGおよびSAICとの提携により計画されている中国専用BEVモデルのうち少なくとも8車種と、新しい中国メインプラットフォームをベースとしたフォルクスワーゲンブランド車が含んでいるという。2030年まで、30以上のBEVモデルを市場に導入することになる。

同社は中国の乗用車市場が、2030年までに2,800万台以上に成長すると予想している。現在より600万台から700万台ほど増える見通しで、なかでもNEV市場のシェアは10年後までに約75%に達すると見込んでいることも明らかにした。(2024年4月25日)