• 2025-03-15

VW、2027年に低価格EVを投入。EV重点の乗用車事業指針「トリプルA計画」を社内で発表

新型BEV「ID.2all」のコンセプトモデルを披露した

フォルクスワーゲン(VW)は、乗用車ブランドでの2030年までの取り組み指針を、5日にウォルフスブルク工場で開いた従業員会議で発表した。”加速、攻撃、達成”をキーワードにした「トリプルA計画」として、2030年まで3段階で乗用車事業を電動化を軸に強化する。一般公開に先立って、エントリーモデルとなる電気自動車(BEV)「ID.2all」を初めて披露し、公開した。

VWは昨年末に、労使で「Zukunft Volkswagen(フォルクスワーゲンの未来)」と呼ぶ将来ビジョンをまとめ合意した。2030年までに技術的に世界をリードする量産メーカーとなる、という目標を確認した。今回発表したのは、この目標を達成するための計画で、3段階で実現したい考えだ。

ひとつは「キャッチアップ」で、コスト構造の最適化と既存のモデルポートフォリオの的を絞った拡張により、競争力を強化すること。ふたつめは「アタック」で、2027年までに2万5千ユーロ未満の「ID.2all」量産モデルや、2万ユーロ前後のエントリーレベルの電気自動車を含む9つの新型モデルを投入すること。3つめは「リード」で、量販セグメントにおける技術的リーダーブランドとして、VWは新たな基準を打ち立て世界中でモビリティを推進していく、とした。

VW乗用車ブランドのトーマス・シェーファーCEOは、「12月の交渉妥結で、VW史上最大の未来計画が動き出した。その重要なステップとなるのが、e-モビリティをすべての人にとって魅力的なものにすることだ」と述べ、ウォルフスブルク工場での電動化戦略がその軸になると強調した。

席上、社員向けに新型エントリーレベルモデル「ID.2all」のコンセプトカーを初めて披露するとともに、3月にも一般公開する予定を明らかにした。2026年にも発表し2027年に量産を始める予定だ。標準車両価格は2万5千ユーロ(約393万円)とする考えだ。同社では、低価格のエントリーモデルを拡充することで、電動車市場を主導したい意向だ。(2025年2月7日)