
メルセデス・ベンツが20日に発表した、2024年業績は新車販売の不振が響きEBIT(利払前・税引前利益)が前期比3割減の大幅減益となった。利益率は前期の12.9%から9.3%に大きく低下し、なかでも乗用車事業の利益率は前期から5ポイント近く下げ7.8%と落ち込んだ。同社は「CLA」をはじめ新商品を積極的に発売すると同時に、「ネクスト・レベル・パフォーマンス」と呼ぶ2027年までに生産コストを10%削減する事業強化策を打ち出し、業績改善を急ぐ方針を強調した。
利益率は9.5%に低下。乗用車は7.8%に
営業収入は前期比4.5%減の1,455億9,400万ユーロ(23兆7,114億円)で、EBITは同30.8%減の135億9,900万ユーロ(2兆2,147億円)となった。事業部門別では、乗用車事業の「カーズ」の営業収入は同4.4%減の1,077億6,100万ユーロ(17兆5,499億円)でEBITは同40.5%減の84億6千万ユーロ(1兆3,778億円)に大きく低下した。商用車事業「バンズ」の営業収入は同4.8%減の193億2千万ユーロ(3兆1,464億円)にとどまり、EBITは同6.6%減の29億3,200万ユーロ(4,775億円)となった。
地元ドイツでの販売減響く
地域別では地元・ドイツでの販売不振が顕著で前期比11.9%減の2,170億700万ユーロ(3兆5,352億円)と落ち込んだほか、中国は同8.5%減の231億3,900万ユーロ(3兆7,684億円)となった。
期中の新車販売台数は同4.1%減の238万9,013台で、うち乗用車は同3%減の198万3,403台と200万台を割り込んだ。電気自動車(EV)の販売台数は商用車と合わせて、同22.3%減の20万4,575台だった。
ハイブリッドモデルなど商品拡充と生産コスト削減
同社は商品計画も発表し、2025年には「CLA」をてはじめに2026年には「Sクラス」の大幅なアップグレードや「GLC」と「Cクラス」で電動化モデルを相次ぎ発売する計画だ。加えて、ハイブリッドモデルの品揃えも拡充し、2027年までに数十台規模の新型または改良モデルを市場投入する。
さらに、パフォーマンス向上プログラム「Next Level Performance」を開始したことを明らかにし、直販チャネルの強化を推し進めることで収益力を向上させる。また、グローバルの生産体制を効率化するとし、2027年までに生産コストを10%削減する方針を打ち出した。(2025年2月20日)