
フォルクスワーゲン(VW)グループと米リビアンの合弁会社「リビアン・アンド・フォルクスワーゲン・グループ・テクノロジーズ(RV Tech)」は27日、ソフトウエア定義車(SDV)向けゾーンアーキテクチャの冬季試験を完了したと発表した。電動化に続く競争軸である「ソフト主導車」の開発を加速し、量産展開に向けた重要な節目を迎えた。
試験は米アリゾナ州フェニックスとスウェーデン北部アルイェプローグで実施。フォルクスワーゲン、アウディ、スカウトの各ブランドとRV Techの共同チームが、試作車「ID.EVERY1」などを用いて数カ月にわたり評価を行った。電子制御とソフトウエアの統合機能について、数百回に及ぶ検証と実走試験を重ねた。
冬季環境下では、四輪駆動やトラクション制御、走行性能に加え、ハードとソフトの協調制御を重点的に確認した。氷雪路や低温環境でのシステム応答や安定性を検証し、OTA(無線更新)機能の動作も評価した。その結果、同アーキテクチャは厳しい気象条件下でも安定して機能することが確認された。
VWグループのオリバー・ブルーメCEOは「冬季試験の成功は開発のスピードと精度を示すものだ」と強調。合弁会社と各ブランドの連携を通じ、次世代技術の開発をグループ全体で加速する考えを示した。
同グループは今後、このSDVアーキテクチャを西半球市場向けの電気自動車(EV)に展開する方針。高度運転支援やインフォテインメント機能をOTAで継続的に更新できる車両として商品化する。
並行してソフト人材の育成も進める。フォルクスワーゲンブランドは5月にも技術者をRV Tech拠点に派遣する研修を開始し、アーキテクチャやソースコードの理解を深める。帰任後は各開発部門で中核人材として機能し、ブランド固有機能の開発加速につなげる。アウディやポルシェも同様の取り組みを予定する。
EV市場の競争がソフトウエア統合力へと移る中、VWグループは外部パートナーとの連携を梃子に開発体制の転換を進める。SDV基盤の確立が、今後の競争力を左右する鍵となる。(2026年3月28日)