• 2026-05-28

ボルボ・カーズは26日、米国の「ICTS(情報通信技術・サービス)サプライチェーン保護規則」に基づき、米商務省傘下機関から個別認可を取得した、と発表した。中国車への規制強化を契機にコネクテッドカーに対する安全保障上の警戒感から始まった規制のなかで、ボルボは米市場でコネクテッドカーの輸入・販売を継続できる見通しとなった。

同規則では、コネクテッド機能を持つ車両について、通信技術やソフトウエア、データ管理体制などに関する審査を義務づけている。対象企業は米当局との協議を経て、個別に認可を取得する必要がある。

ボルボ・カーズは、米商務省や関係当局との協議を通じ、同社のガバナンス体制や技術管理、データセキュリティ対策などを説明し、認可取得に至ったという。米国は同社にとって主要市場の一つ。サウスカロライナ州チャールストン工場には累計13億ドル(約2,015億円)超を投資しており、2,000人以上を雇用しているほか、昨年9月には2030年までに2車種を追加生産するための追加投資計画も発表していた。

ICTSサプライチェーン規制の背景には、米国で強まるコネクテッド車への安全保障上の警戒感がある。自動車のSDV(ソフトウエア定義車両)化が進み、車両は位置情報や走行データ、車内外カメラ情報など大量のデータを取得・送信するようになったためだ。米政府はこれを「走る情報端末」と位置づけ、中国やロシアなど「懸念国」が関与する通信技術や車載ソフトを通じ、機密情報が国外へ流出するリスクを問題視している。

バイデン前政権下の2024年に、米政府は中国製コネクテッド車や関連ソフトへの規制検討を本格化。商務省は「ICTS Connected Vehicles Rule」を導入し、車載通信機器やOTA(無線更新)機能、クラウド接続などを含めたサプライチェーン審査を開始した。なかでも、中国EVメーカーの急成長を受け、自動車分野でも半導体や通信機器と同様に経済安全保障政策を適用する流れが加速している。

ボルボ・カーズは中国の 吉利ホールディング傘下企業であることから、今回の審査動向が注目されていた。今回の認可取得は、グローバル自動車メーカーがサイバーセキュリティやデータ管理体制の透明化を通じ、米市場へのアクセス維持を図る象徴的な事例となりそうだ。(2026年5月27日)