
自動車販売店向けデータ分析・業務支援を手掛ける 米ストーンイーグル社によると、今年第1四半期(1〜3月)のディーラー1台当たりのF&I(ファイナンス&インシュアランス)利益(PVR)は平均1,986ドル(約30万8,000円)となり、前年同期に比べ8%増加した。2019年比では約50%高い水準となり、過去最高圏を維持した格好だ。
長期ローン・残債増加で金融商品販売拡大 車両粗利低下を補完
同調査結果は今月21日に公表した。これによると、ディーラー当たり月間F&I収入は平均21万1,266ドル(約3,275万円)と前年同期に比べ3%増えた。一方で、ディーラー当たり平均販売台数は106台と同4.4%減少した。車両本体販売によるフロントエンド粗利は2026年3月時点で平均539ドル(約8万4,000円)となり、2025年1月比21%減少。コロナ禍後の高収益局面から正常化が進んでいる。
商品別では、VSC(車両延長保証)の装着率が45%、GAP(残債保証)が約40%となり、いずれも前年を上回った。塗装・内装保護商品は約20%、プリペイドメンテナンスは16%、タイヤ・ホイール保証は10%程度で推移。複数商品を組み合わせたパッケージ販売も拡大している。
F&Iは、自動車ローンや延長保証、GAP(残債保証)、メンテナンスパックなど金融・付帯商品販売による収益を指す。新車値引き拡大や在庫正常化で車両販売粗利が縮小する中、米ディーラー収益を支える柱として存在感を強めている。
長期ローン化が進行
リポートでは、車両価格高止まりによる購入負担増も鮮明となった。新車購入時に下取り車のローン残債「ネガティブエクイティ」が平均で8,728ドル(約135万円)と前年同期比36%増加しているのも分かった。頭金が平均3,993ドル(約62万円)と14%減少する一方で、ローン期間が84カ月以上の契約が4件に1件近くを占め、長期ローン化が進行している。
ストーンイーグルのシンディ・アレンCEOは、「販売店は車両本体利益低下や購入負担増への対応として、F&I収益への依存を強めている」と話す。同社は、車両価格上昇や長期ローン化を背景に、残価リスクや修理費負担への不安が高まっており、保証・保護系商品の需要増加につながっていると分析している。(2026年5月27日)