
カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルは30日、2026年7~9月期決算を発表した。生産性・業務効率の改善や関税負担の軽減などが寄与し、調整後EBIT(利払い前・税引き前利益)は前年同期比11%増の6億8,300万米ドル(約1,075億円)となった。売上高は自動車生産の減少や事業売却などの影響で、同4%減の100億5,900万米ドル(約1兆5,828億円)だった。調整後EBIT利益率は前年同期の5.9%から6.8%へ、0.9ポイント改善した。同社株主に帰属する純利益は前年同期の3億500万米ドル(約480億円)から3億8,300万米ドル(約603億円)に増加。希薄化後1株当たり利益は1.44米ドル(約227円)、調整後1株当たり利益は38%増の1.83米ドル(約288円)となった。
車体外装・構造とパワー&ビジョンが増益
売上高を押し下げた主な理由は、主要市場での自動車生産の減少。同四半期の小型車生産台数は北米で前年同期比5%減、中国で7%減となり、欧州は3%増だった。一部車種の生産終了や、2026年中に実施した照明事業とルーフシステム事業の売却、完成車部門を中心とするエンジニアリング収入の減少なども影響した。利益面では、生産性向上や過去の事業再編の効果に加え、顧客との取引条件の調整、関税費用の補填回収と負担減少などが増益に寄与した。一方、売上高の減少や製品構成の変化、原材料費の上昇などは減益要因となった。
部門別では、車体外装・構造部門の売上高が前年同期並みの41億5,800万米ドル(約6,543億円)、調整後EBITが3億8,700万米ドル(約609億円)となった。利益率は7.4%から9.3%へ改善した。パワー&ビジョン部門は、売上高が37億7,300万米ドル(約5,937億円)と減少したものの、調整後EBITは2億8,700万米ドル(約452億円)に増加。利益率は6.1%から7.6%へ上昇した。シートシステム部門は減収減益となり、売上高は12億4,700万米ドル(約1,962億円)、調整後EBITは2,800万米ドル(約44億円)だった。利益率は4.1%から2.2%へ低下した。完成車部門は減収ながら増益となり、売上高は9億9,600万米ドル(約1,567億円)、調整後EBITは3,300万米ドル(約52億円)となった。
通期のキャッシュフロー予想を上方修正
2026年通期の売上高予想は、従来の413億~425億米ドル(約6兆4,986億~6兆6,874億円)から412億~420億米ドル(約6兆4,828億~6兆6,087億円)に修正した。中国の自動車生産見通しの引き下げや車種構成の影響などを織り込んだ。調整後EBIT利益率は6.3~6.5%とし、従来予想の6.3~6.6%から上限を引き下げた。
調整後1株当たり利益は6.85~7.15米ドル(約1,078~1,125円)とし、従来予想の中央値である7.00米ドル(約1,101円)を維持した。フリーキャッシュフロー予想は、従来の17億5,000万~18億5,000万米ドル(約2,754億~2,911億円)から18億5,000万~19億米ドル(約2,911億~2,990億円)へ引き上げた。株主還元では、7~9月期に配当と自社株買いを通じて計6億5,800万米ドル(約1,035億円)を還元した。取締役会は、浮動株の最大10%に相当する約2,580万株を対象とした新たな自社株買い枠も承認した。トロント証券取引所の承認を条件に、11月9日から実施する予定としている。
(2026年10月30日)