• 2026-10-30

吉利汽車、1~9月期売上高13%増の約6.4兆円 輸出拡大と高付加価値化で収益力向上

吉利グループの車両
吉利グループの車両

吉利汽車の今年1~9月期の決算は、売上高が前年同期比13%増の2,725億6,400万人民元(約6兆4,004億円)、親会社株主に帰属する純利益が同7%増の139億2,800万人民元(約3,271億円)となった。為替差損益などの影響を除くコア利益は同41%増の148億9,600万人民元(約3,498億円)。販売台数の伸びを売上高とコア利益の伸びが上回った。

現地時間29日に香港証券取引所に公表した。1~9月期の販売台数は前年同期比3%増の約223万5,500台。直近の7~9月期では812,523台と同7%増加した。同四半期の売上高は同10%増の989億6,400万人民元(約2兆3,239億円)、純利益は同28%増の48億3,700万人民元(約1,136億円)、為替差損益や資産の減損損失を除いた「コア利益」は同32%増の52億1,200万人民元(約1,224億円)だった。

同社は7~9月期の増収について、輸出販売の大幅な拡大と高付加価値商品の構成比上昇を主な要因に挙げた。販売台数を上回る増収率は、商品構成と平均販売単価の改善を示していると説明している。一方、1~9月期は前年同期の為替差益から為替差損に転じ、純利益の増加率はコア利益の伸びを下回った。

ブランド別の1~9月期販売は、吉利(Geely)が前年同期比2%減の1,750,960台で、このうち電動車シリーズ「Galaxy(ギャラクシー)」は前年並みの877,184台だった。高級車ブランド「ZEEKR(ジーカー)」は同101%増の288,404台と倍増した一方、「Lynk & Co(リンク&コー)」は同19%減の196,117台となった。ZEEKRは売上高も倍増し、全体の売上高に占める比率は前年同期の17.7%から31.3%に高まった。なお、これらは香港上場の吉利汽車の主要ブランドの実績で、これとは別にマレーシアのプロトンが同30%増の157,761台を販売したとしている。

今回の決算からは、販売規模の拡大に加え、売上高を利益につなげる力が高まっていることが読み取れる。1~9月期の売上総利益率は、前年同期の約16.4%から約18.0%へ上昇した。コア利益の売上高に対する比率も約4.4%から約5.5%に改善している。輸出拡大と商品構成の改善が、収益性の向上を伴って進んでいる点が事業成果といえる。

期中の推移を見ても、その特長は明確だ。今年1~6月期は売上高が前年同期比15%増だった一方、純利益は同2%減だった。しかし、コア利益は同46%増加しており、為替などの影響を除いた利益は上期から拡大していた。7~9月期もコア利益は同32%増を確保し、純利益も増益となった。上期と第3四半期を通じてコア利益が伸びていることは、収益改善に継続性があることを示している。

もっとも、増加率でみればコア利益は上期の46%から7~9月期には32%へ引き下がった。利益拡大そのものは続いているが、その伸びは鈍化しているともいえる。今後の焦点は、輸出と高付加価値商品の販売をさらに伸ばし、改善した利益率を維持できるかにある。販売台数が緩やかな伸びにとどまる中でも利益を積み上げた今回の実績は、吉利汽車の成長を評価するうえで、台数とともに商品構成や収益性を見る必要性を示している。

※コア利益は、親会社株主帰属純利益から税引後の為替差損益と非金融資産の減損損失の影響を除く会社独自の非HKFRS指標。前年同期比は修正再表示後の数値に基づく。

(2026年10月30日)

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