• 2024-05-18

ボルボ・カーズ、ポールスター株を放出

ボルボ・カーズは23日、保有するポールスター株の62.7%を株主に分配する、と発表した。同社株の8割近くを持つ浙江吉利控股グループが事実上、ポールスター株を取得することになり、ポールスターは吉利の直接管理のもと再出発する。ボルボ・カーズは、自社ブランド事業に経営資源を集中する、としている。

ボルボ・カーズの取締役会が同日、今年3月26日に開く年次総会にポールスター株の分配を提案することを決めた。ボルボ・カーズの議決権の78.7%を保有する吉利グループの現地法人「吉利スウェーデンホールディングス」もこれを支持した。株主には、2月22日の米ナスダックでのポールスターのクラスA米国預託株式(ADS)の終値を基に分配し、その総額は約95億クローネ(1,390億円)になる。1株当たり3.2クローネ、あるいはADRで0.2クローネに相当するという。

これにより、ポールスターは吉利グループのもと再生に取り組む。一方、ボルボ・カーズはポールスターの約18%となる株式を持ち続け、ポールスター株を手離した後もポールスターとの業務協力関係を継得る。続するとしている。ボルボ・カーズは今年4月5日までに、今回の決議に伴う必要な許可や承認などを英国規制当局から得て整う。ボルボ・カーズは今月1日に、ポールスター社に対する財務支援について言及、吉利汽車がポールスターを支えることを明らかにしていた。

ボルボ・カーズのジム・ローワン社長兼CEOは、「ボルボ・カーズは、次世代モビリティをリードするため変革の次の段階に着手している。ポールスターとは業務上重要な協力関係にあり、また財務上の関係もあるためポールスターの18.0%という少ない株式を通じて影響力を保持するが、ボルボ・カーズがポールスターにさらなる資金を提供することはない」と話した。

吉利ホールディンググループのダニエル・リーCEOは「我々は、ボルボ・カーズの株主に対するポールスター株式の分配案への支持を表明する。私たちはポールスターに強い信頼を寄せており、ポールスターの世界的なプレミアムEVブランドとしての歩みを待ち望んでいる。ポールスターの長期的なオーナーとして、私たちはその戦略を実行するために必要な資金を確保し支援することを約束する」と述べた。(2024年2月24日)