• 2024-05-18

欧州議会、ユーロ7を採択。環境パスポート発行へ

欧州議会は13日、新たな排ガス規制案「ユーロ7」を賛成多数で採択した。EU基準に初めて、ブレーキ粒子排出規制(PM10)と電気自動車(BEV)とハイブリッド車におけるバッテリー耐久性に関する最低性能要件を盛り込んだ。また、各車両に環境情報を消費者に提供する「環境車両パスポート」の発行を義務づけた。欧州議会の採択を、自動車業界は「未来志向の課題という、最も重要なところに焦点を当てた」(欧州自動車工業会のシグリッド・デ・フリース事務局長)など環境施策での競争力につながるとの認識を示した。

新たな排ガス規制「ユーロ7」では、乗用車とバンは現行のユーロ6の排ガス規制を維持する一方で、バスとトラックには排ガス規制を強化した。同時に、EUでは初めてとなるタイヤとブレーキからの粒子排出を制限し、バッテリーの耐久性を向上させる新たな措置を講じるよう求めた。さらに、環境性能に関する情報を記載した「環境自動車パスポート」の発行を決めた。欧州議会はこの新規制案に対し、賛成297票、反対190票、棄権37票で採択した。今後、EU理事会の承認を経て正式に発効する。

この環境車両パスポートは、登録時の環境性能に関する情報、例えば汚染物質排出規制値CO2排出量、燃料および電気エネルギーの消費量、航続距離、バッテリーの耐久性などを記載するとしている。消費者は、こうした車両の燃料消費量やバッテリーの健全性、汚染物質排出量、車載システムやモニターから生成されるその他の関連情報に関する最新情報にもアクセスできるようになるという。

報告者のアレクサンダー・フォンドーラ氏は、「私たちは環境目標とメーカー利益とのバランスをうまくとることができた。内燃機関を搭載した小型車が購入しやすい価格であることを保証すると同時に、自動車産業が予想される変革に備えることができるようにしたいと考えている」と述べた。I

欧州自動車工業会(ACEA)は同日、この欧州議会採択に反応し、「本日行われた欧州議会でのユーロ7の採決により、欧州は自動車、バン、トラック、バスの排ガス規制における世界的なペースメーカーとしての地位を固めた」と歓迎するコメントを表明した。(2024年3月14日)