• 2024-05-18

ステランティス、イタリアでハイブリッド車向けミッション「eDCT」生産。1億€追加投資も発表

(写真左から)ステファノ・ロ・ルッソ(トリノ市長)、カルロス・タヴァレス(ステランティスCEO)、アルベルト・チリオ(ピエモンテ州大統領)、レオナルド・ロッシ(ステランティスeDCT工場長

ステランティスは10日、イタリア・トリノのミラフィオーリ工場で電動デュアル・クラッチ・トランスミッション(eDCT)の生産を開始した、と発表した。同時に、1億ユーロ(164億円)を追加投資し、BEVモデル「フィアット500e」の生産拡大に着手する方針を明らかにした。同社はイタリアで2億4千万ユーロ(394億円)を投じリサイクルまでを含む次世代生産拠点「ミラフィオーリ自動車パーク2030」づくりを推し進めており、今回のeDCT生産はその一環となる。

合弁会社「eトランスミッション・アッセンブリー」が、次世代ハイブリッド車向けeDCTを年間60万基の生産する。「バッテリー・テクノロジー・センター」や「サーキュラー・エコノミー・ハブ」などとともに、「ミラフィオーリ・オートモーティブ・パーク2030」のひとつとして動き出す。同パークでは、設計からエンジニアリング、技術、製造、サプライチェーン、リサイクルに至るまでを一貫して取り組む、世界でもにユニークでモビリティ拠点となる。同社はまた、1億ユーロを追加投資し「フィアット500e」向けに新世代のバッテリー技術を組み込んだプラットフォームを開発する。

ステランティスのミラフィオーレは、同社の次世代事業ビジョン「Dare Forward 2030」で展開する世界3カ所のステランティス・ディシジョンセンターのひとつ。プロジェクト終了までに3万6,000トンのCO2換算排出量削減をめざしている。また、ミラフィオーリ・オートモーティブ・パーク2030には、フィアットとマセラティブランドの現地生産のほか、トランスミッション/ギアボックスの生産を行っている。今回、ステランティス・ブランドのハイブリッド・パワートレイン用eDCTの生産を始め、フランスのメッツ工場とともに年間最大60万台のeDCTを生産する計画だ。

このミラフィオーリでのeDCTは、21kWの電気モーターをデュアルクラッチトランスミッションに組み込んだもので、市街地走行やクルージングなどの低トルクシナリオで電気推進力を発揮し、市街地走行では内燃機関を50%オフに保つことができるのが特長だ。(2024年4月11日)