
独ボッシュは16日、2030年に向けた成長戦略「Strategy 2030」を公表し、構造改革と先行投資を両輪に競争力を強化する方針を示した。自動化、電動化、デジタル化、人工知能(AI)といった成長分野への投資を維持しつつ、収益力の回復を図る。
2025年の売上高は910億ユーロと前年比で微増したが、営業利益率は2.0%と低下した。将来の競争力確保に向けた構造改革費用(約27億ユーロ)が収益を圧迫した。一方、2026年は売上高が2〜5%増、営業利益率は4〜6%への回復を見込む。
同社は研究開発と設備投資に約120億ユーロを投じるなど、先行投資を継続。2025年の特許出願は約6300件とドイツ首位を維持し、技術優位性を成長の原動力と位置付ける。
自動車分野では、ソフトウエアやAIの需要拡大を追い風に「ソフトウエア定義モビリティ」への対応を強化する。車載AIプラットフォームの投入により、運転者認識や安全機能の高度化を図るほか、先進運転支援やセンサー技術で2025年に100億ユーロ規模の受注を確保した。
また、電動化分野では年間700万件超の関連コンポーネント供給を見込み、インドでは電動アクスルなどを手掛ける合弁を設立する。センサー事業でもロボティクスや自動運転向け需要を取り込み、次世代の収益柱とする。
地政学リスクや価格競争の激化を背景に、同社はドイツ国内のモビリティ部門で人員削減を含む構造改革を進める。中国勢が主導する価格競争に対抗するには、コスト削減と技術差別化の両立が不可欠と判断した。(2026年4月16日)
自動車産業がソフトウエアと電動化を軸に再編される中、ボッシュは「技術リーダーシップ」を梃子に成長を模索する。構造改革の成否と投資回収のバランスが、今後の収益回復の鍵を握る。