
アウディは29日、高性能モデル「RS」シリーズの新型「RS 5」を6月末から欧州市場で発売する、と発表した。新型車は、アウディスポーツ初のプラグインハイブリッド車(PHEV)として開発され、ツインターボV6エンジンと電動モーターを組み合わせた新パワートレーンを採用した。
高性能V6を独・ハンガリー共同開発
新型RS 5の開発では、ドイツ・ネッカーズルムのエンジン開発部門と、ハンガリー子会社のアウディ・フンガリア(ジェール)が連携。ネッカーズルムがパワートレーンの設計や検証を担い、量産準備完了後はジェール工場が継続的な改良開発と生産を担当するという。
RS 5は、アウディスポーツが電動化時代に投入する象徴的モデルとなる。従来の高性能ガソリンエンジンの魅力を維持しながら電動化技術を融合させた点が特長で、同社は「RSパフォーマンスと電動化を両立した」と説明している。

開発プロセスでは、両拠点が節目ごとに技術移管ワークショップを開催し、設計情報や品質基準を共有。長年にわたる協業を通じて培ったノウハウや信頼関係が、開発期間の短縮や意思決定の迅速化につながったという。また、新型RS 5には、後輪左右へ駆動力を最適配分する「ダイナミック・トルク・コントロール」を備えた最新のクワトロシステムを搭載。電動化と高性能四輪駆動技術を組み合わせることで、より精密でダイナミックな走行性能を実現したとしている。
今回の発表は単なる新型車投入にとどまらない。アウディスポーツのRSブランドが本格的な電動化へ踏み出したことを示すものだ。欧州高級車メーカー各社は環境規制強化への対応を進める一方、高性能モデルのブランド価値維持が課題となっている。RS 5はPHEV化によって排出ガス削減と高出力を両立するモデルとして位置付けられ、今後のRSシリーズ電動化戦略の試金石となりそうだ。(2026年5月29日)