
アウディは24日、上海に新たな技術開発拠点を設立すると発表した。同日開幕したオートチャイナ2026で明らかにした。アウディは研究開発から商品企画までを中国で担う体制を強化し、中国市場への対応力を高めたい考えだ。地場メーカーの台頭などで競争が激化するなか、中国での開発機能を拡充し対抗する。
新拠点は中国専用ブランド「AUDI」向けの次世代車開発を中心に、ソフトウエアやデジタルサービスを含む広範な領域をカバーする。現地パートナーとの連携を前提に、開発から量産までのプロセスを中国で完結させる体制を構築する。
同社はすでに、中国専用ブランドの第2弾モデルとなる電動SUV「E7X」を発表しており、現地ニーズに合わせたコネクテッド機能や人工知能(AI)技術を取り入れている。今回の拠点新設は、こうした開発をさらに加速させる狙いがある。また、既存ブランドでも長軸仕様の「A6L」や電動モデル「A6L e-tron」など、中国市場向けの商品展開を拡充する。電動車と内燃機関車の双方でラインアップを強化し、多様な需要に対応する方針だ。

ゲルノット・ドルナー最高経営責任者(CEO)は「中国で過去最大の製品攻勢の新たな章に入る」と述べ、現地化戦略の強化を明言した。
中国市場を巡っては、価格競争の激化や政策面での不透明感から欧州勢の警戒感も根強い。それでも、電動化や車載ソフトの分野では開発と実装が最も進む市場であり、各社にとって無視できない存在となっている。アウディは今回の技術拠点新設により、中国を単なる販売市場から開発拠点へと位置付け直す。オートチャイナでの発表は、警戒感を抱えつつも、中国との関係を深めざるを得ない現状を映し出している。(2026年4月25日)