• 2026-04-25

【解説】欧州勢、中国への軸足再び警戒感残しつつ戦略見直し―オートチャイナ開幕

24日に開幕した「オートチャイナ2026」は、欧州自動車メーカーが中国市場への関与を改めて強める姿勢を示す場となった。ここ数年は地場メーカーの台頭や価格競争の激化を背景に慎重な見方も広がっていたが、電動化や車載ソフトの競争が集中する中国の重要性はなお大きい。各社は警戒感を残しつつも、戦略の再構築を進めている。

象徴的なのが、メルセデス・ベンツグループとBMWグループの動きだ。両社とも中国重視を打ち出すが、その位置付けには違いがみられる。メルセデスは、中国を開発面でも中核拠点とする方針を鮮明にした。長軸EVや高級セダンといった中国専用モデルを投入するとともに、車載OSや人工知能(AI)、運転支援分野で現地開発を強化する。

同社のオラ・カレニウス最高経営責任者(CEO)は「中国向けの世界初公開モデルは、技術を現地ニーズに合わせていく取り組みの象徴だ。今後は開発・生産の現地化を一段と進め、中国を世界のイノベーション源として活用する」と強調した。

実際、清華大学とのAI開発や、中国の自動運転スタートアップ会社であるモメンタとの協業などを通じ、中国の技術基盤を取り込みながら、将来的なグローバル展開を視野に入れる。

一方、BMWは次世代技術「ノイエ・クラッセ」を軸に、中国市場への対応を進める。新型「iX3」「i3」のロングホイールベース仕様を世界で初めて披露し、電動化技術やデジタル機能の進化を前面に押し出した。オリバー・ツィプセ会長は「新型iX3やi3、7シリーズの投入は、当社の将来戦略の中核であるノイエ・クラッセにおける重要な節目だ。技術、走行性能、デザインのすべてで大きな飛躍を示す」と述べた。

デジタル分野でも現地ニーズへの対応を進め、音声AIやナビゲーションなどで中国企業と協力する。ただ、車載OSの基本設計はグローバルで共通化し、中国はその応用先として位置づける点に特長がある。欧州勢の対中戦略は、拡大路線から一時的に慎重姿勢へと傾いた経緯がある。それでも、中国は電動化やソフトウエア分野で先行する市場であり、競争の舞台としての重要性はむしろ高まっている。

今回の展示からは、そうした環境変化を踏まえ、各社が改めて中国との向き合い方を模索している様子がうかがえる。メルセデスのように開発拠点としての役割を強める動きもあれば、BMWのようにグローバル戦略の中で位置付け直す動きもある。欧州メーカーにとって中国は、警戒と期待が交錯する市場であり続ける。オートチャイナは、その中で進む戦略の再調整を映し出している。(2026年4月25日)