
フォルクスワーゲン(VW)は23日、主力車「ゴルフ」とSUV「T-Roc」に、新開発のフルハイブリッド(HEV)システムを投入する、と発表した。2026年第4四半期から量産車に搭載する。外部充電を前提としない電動化技術を強化し、完全電動車(BEV)とプラグインハイブリッド(PHEV)の中間領域を埋める。
今秋にも投入
新システムはターボ付き1.5リットルガソリンエンジンと2基の電動モーター、高電圧バッテリーを組み合わせる。回生ブレーキとエンジンによる発電で車内電力を賄い、家庭用充電設備がなくても短距離の電動走行が可能だ。マイルドハイブリッド(MHEV)に比べ電動走行比率を高め、燃費と排出ガスの低減を図る。
フルハイブリッドは、充電インフラに依存しない一方でPHEVより車両コストを抑えられる点が特長だ。ゴルフでは既存のMHEV「eTSI」やPHEV「eHybrid/GTE」との間を補完する位置付けとなる。電動化への移行期において、インフラ制約や価格感度の高い顧客層を取り込む狙いがある。
駆動は前輪で、1速ギアボックスと電子制御クラッチを備える独自モジュールを採用。走行は①低速時の電動走行、②エンジン発電による直列駆動、③高速域でのエンジン主体の並列駆動の3モードを自動で切り替える。市街地では電動走行中心となり、静粛性も高めた。
電動戦略の多層化へ
同社はBEVの「ID.」シリーズを軸に電動化を進める一方、地域や用途に応じた多様なパワートレインの併存を戦略として掲げている。今回のHEV投入により、内燃機関からBEVへの移行過程での選択肢を拡充し、販売ボリュームの維持とCO₂削減の両立を図りたい考えだ。新システムの詳細は、オーストリア・ウィーンで開催中の「ウィーン・モーター・シンポジウム」で公開する。(2026年4月24日)