
商用車大手イベコ・グループ傘下の商用車ブランド、イベコは3日、トラック・バンの新型「モデルイヤー26(MY26)」シリーズを発表した。顧客や販売店、サプライヤー、メディア関係者ら約2000人を招いたイベント「イベコ・エクスペリエンス2026」を通じ、プレミアムパートナー企業への進化を鮮明に打ち出した。
会場となったイタリア・トリノの歴史的施設「オフィチーネ・グランディ・リパラツィオーニ(OGR)」では、イベコの新たなブランド理念「スピリト・イン・モヴィメント(動き続ける精神)」を前面に展開。品質、技術革新、顧客との密接な関係構築を軸に、車両ライフサイクル全体で最高水準のサービスを提供する方針を示した。
イベコ・グループのオロフ・ペルソン最高経営責任者(CEO)は、「2年前に始めた改革は、顧客にとって真のプレミアムパートナーとなることが目的だった。品質を事業の中心に据え、企業文化の変革と必要な投資を進めてきた」と述べた。
同社は今後の成長戦略として、「モーション・バイ・デザイン」「モーション・スルー・エクスペリエンス」「モーション・アズ・ファミリー」の3本柱を掲げる。顧客ニーズに即した製品設計、あらゆる接点での高品質な顧客体験、そして信頼とコミュニティを重視した関係構築を通じ、ブランド価値の向上を図る。トラック事業部門を統括するルカ・スラ社長は、「これら3つの柱が『スピリト・イン・モヴィメント』を具体化し、プレミアムパートナーへの進化を支える基盤となる」と強調した。
今回の最大の目玉となったモデルイヤー26シリーズは、顧客の声を反映し、燃費性能や運転快適性、コネクテッド機能、カスタマイズ性を大幅に向上させた。特に大型トラック「Sウェイ」は、新世代パワートレインや空力性能の改善、インテリジェント運転支援機能により、長距離輸送事業者の総保有コスト(TCO)削減を実現する。キャビン設計も刷新し、運転席の操作性や居住性を高めたほか、最大3万2000通りの車両仕様を用意し、多様な顧客ニーズへの対応力を強化した。
デジタル分野では、コネクテッドサービスやフリート管理機能を拡充。さらに、電動車両向けには従量課金型サービス「ゲート(GATE)」、ディーゼル車・ガス車向けには包括的レンタルプログラム「レンティブ(RENTIVE)」を提供し、所有に依存しない新たな利用モデルも提案している。イベント最終日は、モデルイヤー26開発に携わった従業員向けプログラムを実施した。世界33カ国・地域で約3万3000人を擁するイベコ・グループは、人材こそが技術革新と品質向上、顧客満足の原動力であるとの考えを改めて示した。(2026年7月4日)