• 2026-05-28

ボッシュと三菱商事、中国で商用EV向け電池サービスを本格始動

ボッシュのクラウド型電池解析ソリューション「バッテリー・イン・ザ・クラウド」

ボッシュと三菱商事は26日、両社合弁の「ボッシュMCバッテリーサービスイノベーションズ」が、中国で商用EV向けエネルギーサービス事業の初案件を始めた、と発表した。中国・安徽省池州(チージョウ)に開設した大型商用EV向けエネルギーサービス拠点を通じ、バッテリー交換、急速充電、電池状態監視を一体提供する。中国で急速に進む物流車両の電動化需要を取り込みたい考えだ。

新拠点は上海凌州科技(シャンハイ・リンジョウ・テクノロジー)が運営し、合弁会社の「BaaS(バッテリー・アズ・ア・サービス)」技術を初採用した。AIを活用した充電制御に加え、車載電池の診断機能を組み合わせることで、車両の短時間充電や電池交換を実現。現在は1日100台超の電動トラックが利用しているという。

中国では大型商用車の電動化が急速に進む。2025年に販売された大型トラックの約3割をNEV(新エネルギー車)が占め、ボッシュは2030年には新車販売の過半が純電動車になると予測する。物流分野では、車両稼働率や電池寿命管理が収益性を左右するため、運行管理と電池マネジメントを一体化したサービスへの関心が高まっている。

今回のサービスでは、ボッシュのクラウド型電池解析ソリューション「バッテリー・イン・ザ・クラウド」を活用する。電池の健全性(SOH=ステート・オブ・ヘルス)を高精度で分析し、劣化傾向や最適充電タイミングを予測。これにより、フリート事業者は車両の総保有コスト(TCO)や残存価値を可視化しやすくなる。

ボッシュのパワーソリューション部門を率いるトーマス・パウアー社長は、「フリート事業者に対し、実効性の高い付加価値を提供できる」と強調した。三菱商事も、保険や保守、アフターマーケット領域を含めたサービス連携を進め、車両導入後を含めた収益モデル構築を図る。両社は2019年から同分野で協業しており、今回の案件は本格事業化の第一歩と位置付けられる。

商用EV市場では近年、車両販売だけでなく、充電、電池交換、保守、残価管理を含めた「運用サービス型ビジネス」への転換が進む。中国ではCATL(寧徳時代新能源科技)などが電池交換網を拡大しており、ボッシュと三菱商事もデータ活用を軸にしたフリート支援サービスで差別化を図る構えだ。(2026年5月26日)