• 2024-05-18

ボルボ、シンガポールの開発拠点開設

イヴォンヌ・タン博士

ボルボ・カーズは6日、あるシンガポールに新しい「テック・ハブ」を開設する、と発表した。当面、先進製造分野のほかソフトウェア開発、データとアナリティクスを担う。ボルボのテック・ハブは今年初めのポーランドに次ぐもので、世界で4カ所めとなる。責任者には9月1日付けで入社した、ダイソンでエンジニアだったイヴォンヌ・タン氏が就任した。

ボルボ・カーズのハビエル・ヴァレラCOOは、「シンガポールにおけるこの新しい拠点は、社内のテクノロジーとソフトウェア開発能力をサポートするものとなる」と話し、その重要性を指摘する。ボルボはシンガポールでの開発拠点づくりでアジアでの人材確保に注力するとともに、インドやポーランドなど既存のテック・ハブと連携し技術開発体制を強化する。

シンガポールのテック・ハブは9月初旬にオープンし、9月1日に入社したイヴォンヌ・タン氏が指揮を執る。イヴォンヌ氏はシンガポール工科デザイン大学で工学博士号を取得し、ウェールズ大学でビジネスITの理学修士号を取得。ベンチャー・インターナショナルでR&Dディレクターを務めていたほか、ダイソンでシニア・エンジニアリング・マネージャーとして研究設計開発に携わった経験を持つ。

ボルボ・カーズは現在、スウェーデンのストックホルムとルンド、ポーランドのクラクフ、インドのバンガロールにボルボ・カーズ・テック・ハブを運営しており、中国・上海とスウェーデン・ヨーテボリに大規模なエンジニアリング・センターを展開している。

《シンガポール国立大学資料から】イヴォンヌ・タン氏=招聘准教授。1995年にヒューレット・パッカード社でファクトリーオートメーションのテクニカルスペシャリストとしてキャリアをスタートさせ、後にスペインに移り、Designjet Test & Product DevelopmentのR&Dに取り組んだ。また、STマイクロエレクトロニクス、テクノロジー・リソース・グループ、ベンチャー・コーポレーション、シンガポール国立大学(NUS)、ダイソンでシステム解析、設計、エンジニアリング、イノベーション、テクノロジーの分野でも勤務。長年にわたり、シンガポール、マレーシア、中国、フィリピン、スペイン、英国、米国で主要なエンジニアリング職を歴任。2018年には、ダイソンのアジア初のキャンパス内エンジニアリングスタジオであるシンガポールのDyson-NTUスタジオ(南洋理工大学)の設立にも携わり、学部生にメンターシップを提供しながら製品開発チャレンジモジュールの講師を行った。休日には3Dプリンターの組み立てから、バルコニーにギャップのない電動ブラインドを設置する最新のホームプロジェクトまで、テクノロジーを実際に体験することを楽しんでいるという。