
中国EV大手の蔚来汽車(NIO)は21日、今年1〜3月期決算を発表した。売上高は前年同期比2.1倍の255億3,270万元(約5,360億円)となり、車両販売増と商品構成改善を背景に大幅に増収した。しかし、最終損益は3億3,210万元(約70億円)と依然として赤字となったものの、前年同期の67億5,000万元の赤字幅を大きく改善した。
新ブランド投入と高価格帯SUV効果で収益性改善
1~3月期の新車販売台数は83,465台と前年同期に比べ98.3%増加した。主力の「NIO」ブランドに加え、量販ブランド「ONVO」、小型EVブランド「FIREFLY」が寄与した。ただ、前四半期比では33.1%減となり、中国市場で年末需要の反動減もみられた。
車両売上高は227億8,370万元(約4,780億円)と前年同期比129.2%増加。車両粗利率は18.8%となり、前年同期の10.2%から大幅に改善した。高価格帯モデル比率の上昇に加え、コスト最適化が寄与した。全社粗利率も19.0%と、前年同期の7.6%から改善した。
研究開発費は18億8,500万元(約396億円)と前年同期比40.7%減少。販売費・一般管理費も20.5%減となった。人員最適化や開発効率向上が進み、非GAAPベースでは営業黒字を維持した。
4〜6月は最大11.5万台販売見通し
李斌(リ・ビン)」CEOは「第2四半期から新製品投入と納車拡大のサイクルに入る」と述べ、4〜6月期の販売台数見通しを11万〜11万5,000台とした。前年同期比では52.7〜59.6%増となる見通し。売上高は327億7,700万〜344億3,600万元(約6,880億〜7,230億円)を見込む。
同社は4月、旗艦SUV「ES9」を発表したほか、「ONVO」ブランドの大型SUV「L80」の受注も開始した。NIOは独自開発の自動運転向けチップや車載OSを軸に、ソフトウエア定義車(SDV)戦略を加速している。中国EV市場では価格競争が激化しているが、NIOは高級EV市場での商品力と独自技術を武器に、収益改善を急ぐ構えだ。(2026年5月21日)