
欧州自動車部品工業会(CLEPA)は27日、域内産業の競争力維持に向けた政策提言を公表し、「欧州製車両」の定義厳格化を欧州連合(EU)に求めた。自動車の付加価値の約75%を担うサプライヤーが、不公正な国際競争に直面し、最大35万人の雇用が失われるリスクがあると警鐘を鳴らした。
域内付加価値7割基準を軸に、産業主権回復へ政策提言
提言は、EUが検討を進める産業政策「インダストリアル・アクセラレーター法(IAA)」を念頭にまとめた。域内での価値創出を確保するため、「欧州車」と認める条件として最低70%の域内調達比率を維持することを柱に据えた。補助制度や優遇措置についても同水準の適用を求め、域外企業による“抜け道”的な市場参入を防ぐ必要性を指摘した。
また、英国や欧州自由貿易連合(EFTA)諸国との連携を視野に入れつつ、貿易相手国ごとにリスクに応じた柔軟な対応を導入すべきだとした。加えて、電池や電動車のバリューチェーンへの対内直接投資(FDI)の要件緩和など、現実に即した制度設計も提案した。
もっとも、CLEPAはIAA単独では不十分とも指摘する。コスト構造の是正や市場全体を対象とした支援策の拡充など、複合的な政策対応が不可欠とし、「欧州の自動車イノベーションの中核を域内にとどめる必要がある」と強調した。電動化と地政学リスクが交錯する中、EUの産業政策は「開放」と「保護」の均衡をいかに取るかが問われている。今回の提言は、サプライヤー主導で進む“欧州回帰”の流れを一段と鮮明にした。政策提言は次の通り:IndustryAcceleratorAct_Position-paper-April-2026.pdf (2026年4月28日)