
ルノー・グループは23日、2026年第1四半期(1〜3月期、Q1)決算を発表、売上高が前年同期比7.3%増の125億3,000万ユーロ(約2兆2,990億円)と増収を確保した。電動化車両の拡販と金融事業の伸長が寄与した一方、販売台数は減少しており、事業構造の転換が進んでいる。
■電動化が成長ドライバーに
同期間のグループ販売台数は54万6,183台と前年同期比3.3%減少した。主力ブランド「ルノー」は39万7602台と同2.2%増加したが、「ダチア」が天候要因による物流混乱で16.3%減と落ち込み、全体を押し下げた。欧州市場では電動化車(EV・ハイブリッド)の販売が同12%増加し、構成比は52.3%に達した。うちEVは20.9%増と伸び、コンパクトEV「ルノー5 E-Tech」など新型車が寄与した。ハイブリッド車も好調で、販売比率は35.3%に上昇。EVとHEVの両輪による「デュアルパワートレイン戦略」が奏功している。
金融事業が収益押し上げ
事業別では、自動車部門の売上高が108億700万ユーロ(前年同期比6.5%増、約1兆9,720億円)に対し、金融子会社モビライズ・フィナンシャル・サービスは17億2,300万ユーロ(同13.0%増、約3,161億円)と高い伸びを示した。金利上昇を背景とした収益拡大が全体の増収に寄与した。
同社はレンタカー向けなど短期チャネルを抑制し、小売中心の販売戦略を維持。Cセグメント以上の比率を高めるなど、収益性重視の姿勢を鮮明にしている。一方、在庫は3月末時点で約55万4,000台と高水準にあり、今後は調整を進める方針だ。
通期見通し据え置き
2026年通期については、営業利益率を売上高比5.5%程度とする従来見通しを維持。自動車部門のフリーキャッシュフローは約10億ユーロ(約1,834億円)を見込む。中東情勢の緊迫化に伴う原材料や物流コストの上昇リスクには警戒を強めるが、新型車投入と電動化の進展、パートナー向け販売の拡大で成長を図る構えだ。
ルノーは販売台数の伸びに依存しない収益モデルへの転換を進めており、電動化と金融事業を軸にした「質の成長」が今後の焦点となる。(2026年4月23日)