
フォルクスワーゲン(VW)グループは21日、北京モーターショー(オートチャイナ2026)に合わせ、中国市場で過去最大規模となる商品攻勢と車載AI戦略を発表した。電動化とソフトウエアを軸に、中国での競争力回復と主導権奪還を狙う。
「中国で開発・中国向け」徹底
同社は2026年だけで20車種以上の電動化モデルを投入し、2030年までに約50モデルへ拡大する計画。バッテリーEVに加え、プラグインハイブリッドやレンジエクステンダー車も含めた包括的なラインアップを構築する。
今回の戦略の柱は「イン・チャイナ・フォー・チャイナ」。設計からデジタルコックピット、先進運転支援システム(ADAS)まで、中国市場に特化した開発体制を強化する。現地R&Dを軸にした開発により、わずか36カ月で新たな電動車ポートフォリオを構築。小鵬(XPeng)との共同開発車など4車種を世界初公開し、中国の技術エコシステムを取り込む姿勢を鮮明にした。
AI車へ転換、「エージェントAI」搭載
同時に発表したのが「エージェントAI」戦略だ。2026年以降、中国専用の電気電子アーキテクチャー(CEA)を採用する車両に、車載AIエージェントを搭載する。従来の音声操作を超え、ユーザーの意図を理解して複数機能を連携させる高度な操作が可能となる。2027年には次世代「CEA2.0」により、運転支援と車内機能を統合したAI主導の車両制御へ進化させる。
中国発の技術で競争巻き返し
VWは中国企業と連携したADAS開発を進め、都市部・高速道路でのナビゲーション自動運転(NOA)や自動駐車機能を量産車に展開する。アウディブランドではレベル3自動運転の導入も計画する。急速に進む中国のEV・スマートカー競争に対し、VWは現地開発とAI技術を融合した「AI定義車」で対抗する構えだ。
中国市場は同社にとって最大市場であり、今回の攻勢は単なる商品投入にとどまらず、グローバル戦略全体の成否を左右する試金石となる。なお、オートチャイナ2026(北京国際モーターショー)は24日から北京市の中国国際会展センターなどで5月3日まで開催される。今回のテーマは「時代をリードし、スマートな未来へ」。(2026年4月23日)