• 2026-05-07

アウディ、1〜3月営業益10%増 欧州回復も中国・北米苦戦

アウディの今年1〜3月期決算は、営業利益が前年同期比約10%増の5億8,800万ユーロ(約1,000億円)と増益を確保した。現地時間の5日発表した。世界の自動車市場が減速するなかでも、コスト削減やCO₂規制対応費用の低減が寄与した格好だ。一方、中国や北米では需要減速や関税影響が重荷となり、世界販売は減少した。

売上高は約8%減の141億7,800万ユーロ(約2兆4,100億円)。営業利益率は4.2%と前年同期の3.5%から改善した。純キャッシュフローは8億8,300万ユーロ(約1,500億円)と前年同期の赤字から大幅に改善した。

アウディ、ベントレー、ランボルギーニを含むグループ全体の販売台数は6.1%減の36万4,877台。主力アウディブランドは36万106台だった。BEV(電気自動車)販売は米中の補助金政策変更を受け約4万2,000台へ減少したが、PHEV(プラグインハイブリッド車)は約3万台と前年同期比約160%増を記録した。電動車全体では販売の20%を占めた。

地域別では欧州が堅調だった。ドイツを除く欧州販売は約6%増の12万3,724台、ドイツ国内も約4%増の5万308台となった。特にドイツでのBEV販売は41%増加し、電動化需要を取り込んだ。一方、北米販売は27%減の3万5,464台、中国も12%減の12万7,109台と苦戦した。米国の関税強化やEV補助金終了、中国市場での価格競争激化が響いた。

こうした環境変化を受け、アウディは「地域別最適化戦略」を強化する方針だ。ゲルノット・デルナーCEOは「“ワールドカー”モデルは現実的ではなくなっている。市場特化型モデルが必要だ」と強調。中国では上汽集団(SAIC)との新ブランド「AUDI」を展開し、北京モーターショーでは第2弾EV「AUDI E7X」を公開した。上海には新たな技術センターも設立する計画だ。

北米では大型SUV需要を見据え、新型「Q9」を今夏投入。欧州ではエントリーBEV「A2 e-tron」を今秋発売する。2026年には改良型「Q4 e-tron」や新型「Q7」も投入し、BEV、PHEV、内燃機関を地域ごとに組み合わせる戦略を進める。

ユルゲン・リッタースベルガーCFOは「世界環境の変化のペースは大幅に加速している」と述べ、コスト構造改革と効率化を加速する考えを示した。アウディは2026年通期で売上高630億〜680億ユーロ(約10兆7,100億〜11兆5,600億円)、営業利益率6〜8%を見込んでいる。(2026年5月7日)