
新車販売は前年比28%減も中古EVは20%増
米自動車市場調査会社Cox Automotive(コックス・オートモーティブ)が公表した6月の「EV Market Monitor」によると、米国の電気自動車(EV)市場は、新車・中古車ともに前月比で販売が減少し、5月の回復基調から一服した。一方で、新車在庫は前年を大きく下回る水準を維持し、中古EVの流通はリース返却車や下取り車の増加を背景に拡大しており、EV普及を支える中古市場の重要性が高まっていることが鮮明となった。
新車販売は7万5,000台弱、テスラがシェア54%を維持
6月の新車EV販売台数は7万4,967台と推計され、前月比15.2%減、前年同月比では27.8%減となった。新車市場全体に占めるEV比率も5.4%と、5月から低下した。メーカー別ではテスラが4万460台で首位を維持し、市場シェアは約54%へ拡大した。販売台数は減少したものの、市場全体の落ち込みより小幅だったためだ。2位にはリビアンが浮上し、販売は前月比8.3%増と主要EVメーカーで唯一増加した。一方、現代自動車、フォード、シボレーなど主要メーカーは軒並み前月実績を下回った。
中古EV市場は前年比20%増、流通拡大が鮮明
中古EV販売は3万5,253台となり、前月比では15.6%減だったものの、前年同月比では20.3%増と大きく伸びた。中古市場でもテスラが1万2,848台で首位となり、現代自動車、BMW、フォード、シボレーが続いた。リース契約満了車や下取り車の増加を背景に中古車の供給が拡大しており、従来はテスラ車が中心だった中古EV市場は、他メーカー車へも広がりを見せている。
新車EVの在庫日数(Days’ Supply)は81日と前月比14.7%増となったものの、前年同月比では32.4%減と依然として低い水準を維持した。メーカー別ではフォルクスワーゲン、ポルシェ、日産、シボレーで在庫日数が比較的長い一方、スバル、レクサス、現代自動車、メルセデス・ベンツ、キャデラックでは在庫が引き締まった状態が続いている。中古EVの在庫日数は38日と前月比17.6%増だったが、前年同月比では5.5%減となり、増加した供給を市場が吸収している状況が続いている。
平均価格は911万円、補助金は縮小
新車EVの平均取引価格(ATP)は5万6,238ドル(約911万円、1ドル=162円換算)となり、前月比3.5%上昇した。一方、販売奨励金(インセンティブ)は車両価格の13%(約7,290ドル)へ縮小した。価格上昇はテスラによる値上げではなく、比較的低価格帯の現代自動車やシボレーの販売減少により、高価格帯モデルの販売比率が高まったことが要因と分析している。中古EVの平均掲載価格も3万8,342ドル(約621万円)となり、前月比3.5%、前年同月比7.0%それぞれ上昇した。
中古市場の成長がEV普及のカギに
コックス・オートモティブは、米EV市場は今後も急拡大というより緩やかな成長局面が続くと分析している。新車市場では価格競争や販売奨励金を巡る競争が続く一方、リース返却車の増加などを背景に中古EV市場の供給は拡大しており、価格面で購入しやすい中古EVの存在が、新たなユーザー層の取り込みとEV普及を支える重要な役割を果たすと指摘している。(2026年7月18日)